有賀喜左衞門

 これはタカハシ・テッチャン(高橋徹先生のこと)から聞いた,ちょっといい話.社会学者の有賀喜左衞門は,農家に調査に行ったときはいつも,挨拶もそこそこに,「仏壇を拝ませていただきます」と言って,仏壇に直行したそうです.調査の対象となった人びとは,「なるほど信心深い先生だ」と言って心を開き,そのあとの聞き取りに対して,たいそう協力的となったとのことです.これがあの日本社会学史に燦然と輝く同族団の研究を完成させた秘訣です.ところで,仏壇に直行した有賀が何をしていたかというと,実は,調査対象者の家系を探るために,位牌に刻まれた文字をせっせとノートに書き写していたとのこと.これって社会学者の鏡ですよね... (1998/2/23)

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