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ロシアで電子メールを使うには?

(1998年9月作成、2000年6月改訂)

以下の情報は2000年当時の状況を元にしたものです。
現在のロシアのインターネット事情は大きく異なりますので、各自でご確認をお願いします。



 最近、東大のスラヴ語スラヴ文学研究室の学生・院生などでも、ロシアに留学中にパソコンを持っていって電子メールをやる人が増えてきました。けれども、これはまだごく最近の話で、1996年ぐらいまでにはロシアでそのようなことをする日本人留学生はかなり珍しかったのではないかと思います。少なくとも私の知っている人で当時電子メールをロシアでやっている人はいませんでした。そのせいかロシアで電子メールをやるための情報はまだまだ少ないのが現状です。

 このページでは、主に私自身の経験を元に、ロシアで電子メールを使うノウハウを皆さんに御紹介します。もちろん、私個人が知っている情報はごく限られていますが、それでもロシアで電子メールを使おうと思っている人には何らかの参考になるのではないかと思います。


目次

  1. ロシアで電子メールを使うのに必要な機械・ソフト類について
    1. パソコンはWindowsでなくMacでもいいか?
    2. ロシアでパソコンを買うのはどうか?
    3. 日本語で送受信は可能か?
    4. メールソフトは何がよいか?
    5. それなら何も特別な道具やソフトや用意する必要はないか?
    6. ロシアでパソコンやインターネットや電子メールを利用するに際し、問題になるのはどのような点か? それぞれどう対処したらいいか?
    7. 私はパソコンに詳しくないのですが...

  2. ロシアで電子メールを使う際利用するプロバイダーについて
    1. ロシアにアクセスポイントを持つ日本のプロバイダーを利用する。
    2. ローミングサービスを利用する。
    3. ロシアの現地のプロバイダーに加入する。
    4. NIFTY-Serveを使う。
    5. Hotmailを使う。

  3. 付録1:ロシア・ウクライナの主要プロバイダ一覧
    1. ロシアの大手プロバイダー
    2. ロシアのローカルプロバイダー:モスクワ
    3. ロシアのローカルプロバイダー:サンクト・ペテルブルク
    4. ロシアのローカルプロバイダー:その他
    5. ウクライナのプロバイダー:キエフ
    6. ウクライナのプロバイダー:その他
    7. その他のСНГのプロバイダー

  4. 付録2:パソコン用語解説(パソコン初級者用)
    1. OS
    2. HTMLメール
    3. コンピューターウィルス
    4. パソコン通信とインターネットの違い
    5. telnet

  5. 付録3:ウィルス対策ソフトとサポートサイトのURL


I.ロシアで電子メールを使うのに必要な機械・ソフト類について

 ロシアで電子メールをするにあたっては、基本的には特別な機械やソフトは必要はありません。日本で電子メールをするのに必要なもの(パソコン・モデム・メールソフト)が揃っていれば、ロシアでも問題なくメールはできます。そこで電子メールのやり方そのものは、日本にいる間に詳しい人に聞くか、雑誌や書籍を参照していただくことにして、以下私の経験の範囲内でロシアでメールを使うにあたって注意すべき点を述べてゆきます。


1.パソコンはWindowsでなくMacでもいいか?

 日本でメールを使える環境にあれば、Macでも問題ありません。ただしロシアでは圧倒的にWindowsのシェアが高いので、調子が悪くなって修理しなければならなくなったときのことを考えると(部品調達などの点で)、MacよりはWindowsの方がベターでしょう。私の知り合いでペテルブルクに在住の日本人留学生のOさんは、MacユーザーでMacのノートパソコンを日本からロシアに持ってきました。しかし、修理が必要になったとき、ペテルブルクで部品を手に入れることができず、フィンランドまで行くはめになったそうです。
 また今の日本人留学生は大体Windowsのパソコンをロシアにもってくるので、Windowsのパソコンの方がいざというとき必要なソフトやCDーROMドライブなどを割合楽に調達できるという利点もあります。

2.ロシアでパソコンを買うのはどうか?

 個人的には日本でパソコンを買ってロシアに持ってゆくのをお勧めします。理由としては、日本の方が選択肢が広く、ノートパソコンならよりコンパクトなものが買えるからです。ロシアのパソコンショップを見ると、パソコンに関しては日本ほど品数はなく、しかもノートパソコンの人気が高い日本と違ってデスクトップが主流です。さらにロシアでパソコンを買って日本語の環境で使いたいと思ったならば、OSからワープロソフトまで全部一からインストールしなければなりません。当然、ロシアでは、普通のパソコンショップで日本語版のソフトは手に入りません。またハードディスクなどを交換しなければならない事態が生じたとしても、少なくともWindows系のパソコンならそのパソコンのメーカーの純正品でなくとも融通がきくので、パソコンが日本の製品でもいざというとき何とかなります。ついでに言うと、当地のパソコンショップには日本製品が氾濫し、例えばプリンタのインクなどは日本のものでも比較的簡単に買えます。

3.日本語で送受信は可能か?

 送信者・受信者ともに日本語OS(用語解説)の環境ならば、日本語で送受信は可能です。別にロシアのプロバイダーを利用しているからといって、日本語が使えないということはありません。もちろん、相手が英語やロシア語のOSのパソコンを使っているならば、日本語が使えないのは言うまでもありません。ただしプロバイダーによっては、メールをやるのに特別なソフトを使わせるところもあり、そのような場合は(おそらく日本語OSとの相性の問題だと思いますが)文字化けする例もないわけではないようです。しかし、文字化けする場合は、大体プロバイダーよりもメールソフトに問題がある場合が多いようです

4.メールソフトは何がよいか?

 これも日本でメールがやりとりできるソフトなら、基本的には問題ありません。御自分の使いやすいメールソフトを使えばいいかと思います。このページを読む人ならロシア人とロシア語でメールをやりとりするのにも御関心があると思いますので、キリル文字でメールをやりとりするやり方について記した、北大のスラヴ研究センターの「ロシア語電子メールの方法」のページも御参照なさることをお勧めいたします。
 ただし、おそらく今日本で一番使用者が多いと思われるMicrosoft製のメールソフトOutlook Expressについては、少し注意が必要です。ロシアでメールを送受信するということにだけに限る話ではないのですが、このソフト、初期設定がHTMLメールで送信するようになっており、受信者側のメールソフトによっては文字化けなどの問題が生じる場合も多いようです。特にHTMLメールを使用するという必然性がなければ、以下のような手順でテキストメールで送信するよう設定し直すことをお勧めします。


  1. 「ツール」メニューの「オプション」をクリックし、「送信」タブを選択する。
  2. 「メール送信の形式」のところがもし「HTML形式」になっていたら、「テキスト形式」の方をチェックする。
  3. 「OK」を押す。


 またNetscape CommunicatorのメールソフトNetscape Messangerも、初期設定がHTMLメールで送信となっているので、同じく特にHTMLメールを使いたいというのでなければ、以下のような手順で設定を変更した方が無難です。このソフトを使っている人で、設定を変更したら、自分の送信したメールの文字化けが解消したという人もいました。

  1. Netscape Navigator、もしくはNetscape Messangerの画面で、「編集」メニューの「設定」をクリックし、「メールとグループ」の「メッセージ」を選択する。
  2. 「メッセージのプロパティ」の「常にHTMLメールで送信」にチェックが付いていたら、チェックをはずす。
  3. 「OK」を押す。


 ちなみにインターネットに関するあるロシア語の解説本(1997)の中で.詳しく紹介されていたメールソフトは、Netscape,Eudora,InternetMail(Microsoft),Pineの4つでした。このあたりがロシアではポピュラーなところなのだと思います(最後のPineというソフトは私はよく知りませんが)。

5.それなら何も特別な道具やソフトや用意する必要はないか?

 各自の必要に応じ、以下の物は日本で用意しておいた方がいいかもしれません。私の主観が強く入っていますが、ロシアにおける各項目の必要度を5段階評価で記しましたので、御参考にしてください。


  1. 電話のモジュラーのアダプラー
  2.  ロシアの家庭の電話のモジュラーは日本のものとタイプが違っているため、アダプターが必要です。これは、秋葉原の大型パソコンショップT-ZONEミナミや成田空港の売店のように海外のパソコン用品を扱っているところで買えます。しかし、少なくともモスクワやペテルブルクのような大都市ではパソコンショップなどで簡単に買うことができるので、特に日本で用意しなければいけないというものでもありません。
     (日本で調達の必要度:モスクワ、ペテルブルクに長期滞在予定だったら1、それ以外は念のため5)

  3. 電圧変換トランス
  4.  別にパソコンに限らず日本の電気製品を使う場合、ロシアの電圧は日本より高いので、トランスを用意する必要があります。しかし、最近のノートパソコンのACアダプタは、海外の高い電圧に対応したものも多いようです。
     (日本で調達の必要度:他にも日本製の電気製品も使うなら5、パソコンしか使わずACアダプタがロシアの電圧に対応しているなら0)

  5. Winodws95/98などのOSとメールソフトのプログラム、およびCD−ROMドライブ
  6.  短期滞在なら荷物が増えるだけなので不用ですが、長期の滞在の予定なら、万が一の場合再インストールできるようにWinodws95/98などのOSとメールソフトのプログラムは、持ってきておいた方がよいでしょう。ロシアでは簡単に日本語版のソフトは手に入りません。また最近のソフトはみなCD−ROMに収録されているので、CD−ROMドライブも必要です(もちろんパソコンに内蔵されている場合は不用)。ソフトやCD−ROMドライブは持ってこなくても、知り合いが持っているのを当てにするという手もないわけではないですが...
     (日本で調達の必要度:短期滞在者は0、長期滞在者は5)

  7. モデムセーバー
  8.  絶対に必要と言うわけではないのですが、「モデムセーバー」という道具は、日本で買ってロシアに持って行くのをお勧めいたします。これは電話回線にモデムをつないでも大丈夫か判定する道具で、万一問題のある電話回線にモデムをつないでモデムを壊してしまう可能性を避けるためにも、あるいは、電話回線の接続に何か問題があったときに電話回線の状態を調べるためにも、役に立ちます。「モデムセーバー」は、秋葉原のT-ZONEミナミという大型パソコン店で3000円ほどで買うことができます。地方の人でも、ロシアに行くときはだいたい成田空港を利用するでしょうから、そのときにでも秋葉原に寄れば購入できるでしょう。こちらも御参照ください。
     (日本で調達の必要度:4)

  9. ウィルス対策ソフト
  10.  私の知り合いのパソコンを見ると、コンピューターウィルス(用語解説)対策に気を使っている人は意外と少ないようです。しかし、インターネットでホームページを見たり、電子メールを使ったり、人とファイルのやりとりをしたりすると、ウィルス感染の可能性もあります。またロシアでは特に違法コピーが蔓延しており(Windows98やOffice97の海賊版が店や通りで堂々と売られている)、ウィルス混入の危険も高いため、ロシア人とファイルのやりとりをするときには特に注意が必要です。私自身の体験では、ある知り合いのロシア人にロシア語の添削を頼もうとして、Wordのファイルをフロッピーに入れて相手に渡したところ、マクロウィルスに汚染されたファイルが戻ってきたということもありました。また、ロシア文学研究所のある研究者から、ある部局のパソコンのハードディスク上のデータが、ウィルスのせいですべて破壊されたという話を聞いたこともあります。
     従って、ロシアにパソコンを持って行くならば、ウィルス対策ソフトは是非自分のパソコンに入れておくべきでしょう。しかし、その際注意したいのは、ウィルス対策ソフトはただ入れておけばよいというものではないことです。ウィルスは常に日々新しいものが登場します。従って、何からの方法でソフトが最新のウィルスに対応できないと、ウィルス対策の意味はありません。それでほとんどのウィルス対策ソフトは、ウィルス情報ファイルを更新することで最新のウィルスに対応しています。ですからユーザーの側でもそのようなアップデート機能を使って、意識して常に情報ファイルを最新のものにしておく必要があります
     ウィルス対策ソフトはいろいろなものが店に売っていますが、インターネット経由でウイルス情報ファイルをアップデートできるタイプがお勧めです(ロシアにいてもアップデートできる)。またウィルス対策ソフトは、パソコンを買ってついてくる場合もありますが、たいていそれは単なる試用のためだけのもので、ウイルス情報ファイルの更新ができない(つまり、最新のウィルスには対応できない)というものが多いので注意しましょう。コンピューターウィルスは、感染することで自分の大事なデータが消失する可能性があるだけではなく、自分でも気づかぬうちに他人に感染させて大いに迷惑をかけることもあります。ウィルス対策ソフトは、定価で5千円から1万5千円ぐらいしますが、ウィルスに感染してしまった最悪のケースを考えると、それぐらいのお金は惜しむべきではないでしょう。個人的には、ウィルス対策ソフトを自分のパソコンに入れ、常にパターンファイルを最新の状態にして、定期的に自分のパソコンをチェックしておくのは、インターネット時代の最低限のマナーだと考えています。
     こちらに代表的な日本のウィルス対策ソフトとサポートサイトのURLを記しましたので、ソフト購入の御参考にしてください。
     (日本で調達の必要度:5)


6.ロシアでパソコンやインターネットや電子メールを利用するに際し、問題になるのはどのような点か? それぞれどう対処したらいいか?

 パソコンの調子やインターネットへの接続がおかしいと言う場合、以下のようなケースが考えられます。

  1. 自分のパソコンのハードに問題がある場合
  2.  パソコンは意外ともろい機械で、使っているうちにハードディスクや液晶のパックライトなどどこかが機械的に壊れてしまうというのもそう珍しい現象ではありません。日本でしたら、その場合、メーカーに修理を依頼するということもできますが、その種のメーカーサポートはロシアでは期待できないと考えた方がよいでしょう。基本的には日本の電気製品は、特に海外対応を謳っていない限り、国外での動作やサポートは保証していません。また普通の家電製品と違って、パソコン製品のサポートはメーカーにとって非常に負担のかかるもので、北米やアジアの一部、ヨーロッパのようなパソコン先進国ならともかく、ロシアでまでサポートを保証している日本のパソコンメーカーはおそらく皆無のはずです。
     しかし、「2.ロシアでパソコンを買うのはどうか?」の項目で触れたように、少なくともWindows系のパソコンなら、純正品以外でもかなり融通がききます。また現地のパソコンショップに持ち込むなどすれば、何とかなる場合もあるようです。「7.私はパソコンに詳しくないのですが...」も御参照ください。

  3. 自分のパソコンのソフトに問題がある場合
  4.  Windowsのパソコンは長く使用していると、次第に動作が不安定になってくる場合もあります。そのような場合、ソフトを再インストールしたり、Windowsを上書きインストールしたりすると、動作が安定するというケースもあります。またメールソフトなど、あるソフトでうまくゆかなかったことが別のソフトを使ったらうまくいったということもあります。
     それからインターネットや電子メールに関しては、各種設定をきちんとやっておかないと、きちんと接続できない、メールを送受信できないということになります。
     いずれにせよ、上記のケースのような場合、パソコンに知識がない人が独力で解決するのは難しいので、そのような人は日本人なりロシア人なり詳しい人を見つけてその人に問題を解決してもらいましょう。
     またパソコンの動作がおかしい場合、時にはコンピューターウィルスに感染というケースも考えられます。(「ウィルス対策ソフト」と「コンピューターウィルス」を参照のこと)。しかし、この場合、ウィルス情報ファイルを最新のものにしたウィルス対策ソフトを使って定期的に自分のパソコンをチェックしていれば、少なくとも既知のウィルスならば比較的発見・解決は容易です。

  5. 自分のパソコン以外の外部的要因に問題がある場合
  6.  上記のハードやソフトの問題は日本でもよく起こる問題ですが、ロシア特有の事情が大きく関わっているトラブルもあります。それは、電話回線など自分のパソコン以外の要因で、パソコンの動作やインターネットへの接続がおかしくなるケースです。
     ペテルブルクで私が頻繁に見聞することになったトラブルは、電話のモジュラーのアダプター(розетка)がらみのものです。問題は各家庭の電話のモジュラーの配線がまちまちで、ゆえに必ずしもそれがアダプターの配線と一致するわけではないということです。このような場合、アダプター内の配線を電話のモジュラーの配線に合わせて組み替える必要があります。この作業に大いに役立ったのが「モデムセーバー」という道具で、ペテルブルクの住居でインターネットに接続するなら必須の道具と言えるでしょう。モスクワはペテルブルクよりは電話関連の設備が整備されているらしく、この種の問題はほとんどないらしいです。
     またロシアの電話回線は日本よりもはるかに質が悪く、電話で普通に会話しても雑音でよく聞き取れないということもよくあります。そのせいか、私の場合、インターネットの接続が不安定になったり、接続がうまくゆかなかったりすることが結構ありました。そのような場合、しばらく時間をおいて再挑戦してみるしかないようです。
     その他、サーバーのコンピューターがダウンしたり、一度に多くの人間がそのサーバーにアクセスしたりして、インターネットへの接続状況が悪くなるのは、日本の場合と同様です。
     それから私の住んでいたクバルチーラの場合、住居が老朽化しているせいか、いきなりクバルチーラ全体の電源が切れるということが何度かありました。私のパソコンはAC電源が切れると自動的に内蔵バッテリーに切り替わる仕組みのため、そのとき作成していた文書が台無しになるといったこともなく、またしばらく待つと復旧するので、しばらくパソコンが使えないという以外に大きな問題にはなりませんでしたが。


7.私はパソコンに詳しくないのですが...

 現地でパソコンに詳しい友だちを作りましょう。ある日本人留学生の女性は、「メールソフトは何を使っているの?」という私の質問に「Word!」と明るい声で答えた強者ですが、ある日ロシアでハードディスクが壊れるという事態に遭遇しました。しかし、根がたくましい彼女は、パソコンに詳しいロシア人の知り合いにハードディスクの購入からフォーマット、各種ソフトのインストールまでやってもらい、現在順調にメール・ライフを送っているようです。


II.ロシアで電子メールを使う際利用するプロバイダについて


 もちろん、実際に電子メールをやるには、機械やソフトを揃えただけでは駄目です。専用線やLANを利用できるめぐまれた環境にいなければ、電話回線とインターネット網を仲介する「プロバイダー」と呼ばれる業者と契約しなければなりません。今のところ、ロシアで電子メールをやるにあたって、プロバイダーの選択肢は, (1)ロシアにアクセスポイントを持つ日本のプロバイダーを利用する。 (2)ローミングサービスを利用する。 (3)ロシアの現地のプロバイダーに加入する。 の3つがあります。それからさらに国際電話を使って日本のプロバイダーに接続するという手もありますが、料金的に高くつくのと、ロシアでは必ずしもうまく行くわけではないようなので、お勧めはできません。そしてパソコン通信(用語解説)のNIFTY-Serveもロシアで利用可能で((4)NIFTY-Serveを使う)、またマイクロソフトが提供している無料メールサービスHotmailを利用する手もあります((5)Hotmailを使う)。それぞれ長所・短所がありますが、お勧めの方法をずばり言うと以下のようになります。


短期滞在なら
 ローミングサービスを利用する。日本で自分の入っているプロバイダーがローミングサービスに加入していなかったら、この際加入しているプロバイダーに乗り換える(ちなみに日本における最大の商用パソコン通信ネットワークNIFTY-Serveはこのローミングサービスが利用可能です)。
 Hotmailを使う。何らかの形ですでにインターネットに接続できるパソコンを利用できるなら、Hotmailが手軽です。メールの送受信は一通りできます。
長期滞在なら
 ロシアの現地のプロバイダーに加入する。



1.ロシアにアクセスポイントを持つ日本のプロバイダーを利用する。

 日本で営業しているプロバイダーの中には、ごく少数ですが、ロシアに自前のアクセスポイントを持つところもあるようです。日本でそのようなプロバイダーに加入しておけば、あとはロシアに来てパソコンを電話回線につなぐだけで済みます。またこの場合通常の接続料金のみで利用できることが多いのは大きなメリットでしょう。私の知る限り、例えばIBMのインターネット・サービスがモスクワとペテルブルクにアクセスポイントを持っています。その他、おそらくMSNやAOLもロシアにアクセスポイントがあると思われます。これらのプロバイダー(AOLは正確にはパソコン通信)に加入している人は、ロシアにアクセスポイントがあるかどうかを問い合わせてみるとよいでしょう(現在、両者とも日本語のホームページ上からは海外のアクセスポイントが調べられないようです)。他のプロバイダーでも,一度そのホームページを見てアクセスポイントを調べてみるとよいかと思います。
 しかし、ロシアに自前のアクセスポイントがあるようなプロバイダーは、基本的に大手のプロバイダーであり、月々払う料金が高いのが普通です。一般的には、ローミングサービスに加入している日本のプロバイダーを利用する方が無難です。

2.ローミングサービスを利用する

 「ローミングサービス」とは、海外の提携プロバイダのアクセスポイントを借りてインターネットに接続できるサービスのことです。つまり、国外にアクセスポイントのない日本のプロバイダでも、ローミングサービスに加入していれば、現地のプロバイダーを介して利用可能であるというわけです。基本的には現地プロバイダーにダイヤルアップ接続したのち、普段使っているプロバイダーのIDとパスワードでログインします。ただし、1分あたり数十円の手数料がかかるのが普通です。
 世界中でローミングサービスを仲介している業者としては、iPassGRICコミュニケーションズ(日本語のページもあります)という会社が有名です。どのようなプロバイダーでローミングサービスを利用できるか、そして海外のアクセスポイントにはどのようなものがあるかはそれぞれのホームページを見るといいでしょう。例えば、GRICのホームページを見れば、GRICによるローミングサービスにはBIGLOBE,FUJITSU Infoweb, NIFTY-Serve, So-netなどが加入し、モスクワでのアクセスポイントは4つ、ペテルブルクでのアクセスポイントは3つあることがわかります。
  ローミングサービスに加入しているプロバイダーなら、おそらく自分のホームページに接続の設定方法や利用料金について説明があると思われるので、詳しくはそれぞれのプロバイダーのホームページを御覧ください。

3.ロシアの現地のプロバイダーに加入する。

 1年以上の長期滞在ならば、現地のプロバイダーを利用するのもよいでしょう。このページの最後に、Internet для чайников, Киев-Москва, Диалектика, 1997という本に掲載されているロシア・ウクライナの主要プロバイダーの一覧(とそのホームページ)を付録としてつけておきましたので参考にしてください。ただし、移り変わりの激しいこの世界のこと、以下の情報もすぐ古くなるかと思います。最新の情報は、イエローページ(Желтые страницы)や検索エンジンなどを使って、御自分で確認してください。
 私に関して言えば、ペテルブルク在住時は、nevalinkという現地のプロバイダーと契約していました。契約時に渡された料金表によれば、支払の内訳は以下の通りです(1997年10月の時点での話。その後このプロバイダの料金体系は少々変わっているので注意)。これは、インターネットと電子メールの両方が使用可能なダイヤルアップ・ユーザー向けのサービスの料金表です。インターネットに接続しない電子メールだけのサービスや企業・学術機関向けの常時接続サービスもあります。

内訳 料金(USドル)
登録料(動的IPアドレス) 5
前払い(動的IPアドレス) 5/month
接続料金  
 昼(8:00-1:00) 1.8/hour
 夜(1:00-8:00) 1/hour
電子メール(POP3プロトコル) 5/month
接続に際し最低限の前払い金 10
インターネットの接続に関する設定情報
(契約者がフロッピー持参の場合)
無料
インターネットの接続に関する設定情報
(プロバイダー側がフロッピーを用意した場合)
0.5/フロッピー1枚につき
150KBまでのホームページ開設 無料


 日本では月単位で使用料金を徴収するのが主流ですが、ロシアでは、あらかじめ一定料金を徴収し、そこから使用料金を差し引いていって、元金がなくなったら再度徴収するというシステムが一般的なようです。料金の支払方法は、nevalinkの場合、銀行に振り込むか、クレジットカードを使うかのどちらかです。そして毎月月の終わりには、今月いくらかかったかという明細書がプロバイダーからメールで送られてきます。私自身の体験からすると、このプロバイダは、ネットサーフィンなどをして毎日一日に平均30分から1時間使って1ヶ月で約3000円前後かかり、電子メールをやっているだけならほとんどお金はかからないようです。ついでにいうと、今のところロシアの電話料金は固定制のため、日本と違ってありがたいことに、いくら電話を使っても使用時間に比例して料金をとられません。その代わり電話回線の状態は日本よりも悪い場合が多いようです。
 それからこのプロバイダーでは、別料金になりますが、自分のパソコンを持ち込めば、インターネットへの接続やメールソフトの設定は向こうがやってくれます。この種の設定が苦手という人にはその点便利かもしれません。向こうは当然日本語は分かりませんが、アイコンで大体それが何を指しているか見当がつくようです。


3.NIFTY-Serveを使う

 日本における最大の商用パソコン通信NIFTY-Serveに加入している人はおそらくかなり多いと思われるので、別に項を設けて説明することにします。ロシアでNIFTY-Serveを使うと一口に言っても、そのやり方にはいろいろバリエーションがあります。しかし、一般的には、ローミングサービスや現地のプロバイダーを使ってインターネットに接続し、それからNIFTY-ManagerなどのNIFTY-Serve用通信ソフトでtelnetによる接続をするのが一番楽で快適でしょう

  1. モスクワ在住者の場合
  2.  モスクワにはNIFTY-Serveのアクセスポイントがあるので(INFONET経由: 095-915-0001,TYMNET経由:095-956-3690)、モスクワ在住者ならばそれを利用できます。ただし、料金は70円/分かかります。

  3. インターネット経由
  4. 接続方法の選択

    1. ローミングサービスを利用

       NIFTY-Serveは、ローミングサービスを行っているGRICコミュニケーションズ(日本語のページ)と提携しており、NIFTY-Serveの「海外ローミングサービスを利用するには」というページには、ローミングサービスを利用してNIFTYを利用する際の設定や使用料金について詳しい説明があります。NIFTY-Serveの場合、通常の接続料金とは別に20円/分の料金が加算されるようです。
       ローミングサービスを使ってインターネットに接続した後は、「利用ソフトの選択」の項で選んだソフトを使ってNIFTYにアクセスということになります。


    2. 他のプロバイダーを利用

       この場合、現地のプロバイダーと契約するなどして、インターネットに接続できる環境にあれば、あとはどのソフトを使ってNIFTYと接続するか選択するだけです。


    利用ソフトの選択

    1. NIFTY-Serve用通信ソフト
       NIFTY ManagerなどNIFTY-Serve用通信ソフトを使って、telnet(用語解説)で接続というのがおそらく一番楽な選択肢でしょう。メールの送受信、フォーラムの巡回など、日本でNIFTY-Serveを使っている感覚で利用できます。ただしインターネットを経由しているため、日本で直接NIFTY-Serveのアクセスポイントに接続している場合と比べて回線が不安定な場合が多く、ログアウトする前に回線が切断されてしまう場合もあります。

    2. ブラウザ
       Internet ExplorerやNetscape Navigatorなどのブラウザを使う場合は、電子メールの送受信のみ可能です。自分のIDとPasswordをホームページ上のフォームに打ち込んでログインしたのち、メールを見たり送ったりします。あまり本格的なメールの送受信には向いていないようですが、日本を留守にしている間に届いたメールをちょっと確認したいという程度なら十分でしょう。

    3. インターネット用のメールソフト
       Outlook Expressなどのインターネット用のメールソフトを使ってNIFTY-Serveの電子メールを利用する場合は、メールの送信はできず、料金コースに従量制を選択している人は電子メール・サービスそのものも利用できません。また設定がやや複雑で、メールソフトがマルチユーザに対応していないと、元の設定に戻すときに苦労するかもしれません。

       以上ブラウザやメールソフトを使ったインターネット経由のNIFTYのメールの送受信について詳しくは、NIFTY-Serveの「電子メールを使うには」のページを御覧ください。

  5. その他
  6.  NIFTY-Serveには、その他、Compuserve経由、Infonet経由、Concert Packet経由などでも、海外からアクセスできるようです。詳しくはNIFTYの「海外からインターネットやニフティサーブを利用するには」のページを御覧ください。

5.Hotmailを使う

 すでにインターネットに接続して、ブラウザを使ってホームページを見ることができる環境にあるならば、どんなパソコンでも(他人のパソコンでも学校・公共機関のパソコンであろうと)マイクロソフトが提供している無料電子メールサービスHotmailを利用することができます。このメールサービスは、Internet ExplorerやNetscape Navigatorなどのブラウザを使ってメールの送受信を行うタイプのものです。
 このサービスを利用するには、まずHotmailのページ(http://www.hotmail.com/JA/)のページで登録をします。始めてHotmailを使う人は、最初に「新規ユーザーはここでサインアップしてください」をクリックします。すると名前、国、都道府県などの所定のフォームのある登録画面が出ますから、画面の指示に従い適宜記入し、登録を進めてゆきます。「サインイン名」(「ユーザ名」のようなもの。例えば、サインイン名をpushkinとすると、メールアドレスはpushkin@hotmail.comとなる)、「パスワード」(半角アルファベット・数字)、「秘密の質問」「秘密の質問の答え」(パスワードを忘れた場合の本人確認に使う。「Visa カードの番号の下 5 桁は? 」「運転免許証番号の下 5 桁は? 」「母の旧姓は? 」が適切な秘密の質問の例として挙げられています)は、あらかじめ考えておいた方が手際よく登録作業を進めることができるでしょう。
 登録を終えたら、http://www.hotmail.com/JA/のページで表示される「サインイン名」「パスワード」の欄に、自分の「サインイン名」「パスワード」を記入し、「サインイン」のボタンを押します。後の操作は大体普通のメールソフトの要領に準じます。

文責:久野康彦