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モスクワの本屋

(1999年6月作成、2011年7月一部改訂、2014年1月全面改訂)




 モスクワはロシアの首都だけあって新刊書も充実しています。Библио-ГлобусМоскваなどの大手総合書店は、今や日本の地方の大手書店ぐらいの規模と品揃えがあると言えるでしょう。しかし、モスクワには小さめの専門書店にもよい店がいくつかあります。人でごった返した大手書店よりも、ゆっくり本を選べるという点でこれらの専門書店の方が好ましいと思う人もいるに違いありません。





大手総合書店ベスト3


 本(古本も含む)だけでなくCDや文具も取りそろえた大規模な総合書店です。一般的な新刊書を探す場合は、これらの書店にまず足を運ぶのがよいでしょう。 品揃えにはそれぞれムラがあり、あるところに在庫がなくても別のところで見つかるということは頻繁にあります。


Библио-Глобус (Мясницкая ул., 6; Метро Лубянка)
 地下鉄Лубянка駅からすぐ。地下歩道に出口表示あり。
Москва (Тверская ул., 8; Метро Пушкинская, Тверская)
 地下鉄Охотный ряд駅とПушкинская駅の中間ぐらい。
Московский Дом книги (Новый Арбат ул., 8; Метро Арбатская)
 地下鉄Арбатская駅から、Новый Арбат通りを西に10分弱歩いたところ。



小さめの専門書店

(以下の専門書店は栄枯盛衰が激しく、移転・閉店の可能性があるので、モスクワ在住者から最新の情報を確認しておくのが望ましい)


トヴェルスカヤ界隈

Театральные книги (Страстной бульвар, д. 10/34. строение 1; М. "Чеховская")
http://www.art1990.ru/shop.html
 演劇関連の専門書店。新刊書と古書が両方あります。それほど豊富に資料が揃っているわけではありませんが、演劇関係に興味のある方は一見の価値あり。価格も良心的。ただし、少し分かりにくいところに書店があるため、以下詳しく案内します。まず、住所はСтрастной бульвар となっていますが、実際には ул. Б. Дмитровка 沿いにあります。しかも書店が単独で存在しているのではなく、Центральная научная библиотека Союза театральных деятелей РФ (ЦНБ СТД РФ) という図書館の中に位置しています。行き方は、最寄りの Чеховская 駅から出たら右に進み、横断歩道を渡ります。すると目の前にЦНБ СТД РФ があるので、そのまま Страстной бульвар を直進せずに(すぐ左側に並木のある大通りが走っていますが、これがСтрастной бульвар です)、右折して ул. Б. Дмитровка 沿いを歩いて、この図書館の中に入ります。すると右手に扉があるので、それを開けると図書館の入り口です。閲覧室には入らずに、部屋の奥の扉を開けた先が書店です。  ちなみに、この図書館の斜向かいにも書店がありますが、そこは主に英語の教科書を扱う書店で、あまり見るべきものはありません。
Русская деревня (Глинищевский переулок, дом 6; М. "Пушкинская", "Чеховская", "Тверская")
http://www.hamlet.ru/
 地方で出版されたりした少部数の本を中心に扱っている書店。新刊書も古書もあり。文学の他にも様々なジャンルの本が置いてあります。また、学術論文のレジュメ(紹介論文)も販売されています。背表紙に何も書かれていない小冊子が多く書棚に並んでおり、見過ごしてしまいそうですが、中には貴重な冊子もあるので要確認。なお、この書店は有名な『モスクワ書店』の裏側に位置し、発見しやすそうですが、やはり探し出すのは困難です。Глинищевский переулок 沿いに建っている水色の建物にアーチ型の入り口があるので、その扉を開けて中に入ります。すると目の前に広々としたホールが開けていますが、そこへは進まず、すぐ右に折れます。暗い廊下には3つのドアが並んでいますが、その一番手前のドア、「26番」のドアの中が書店です。看板や表示は一切ありません。
Фаланстер (М. Гнездниковский пер., д. 12/27, стр. 2-3; М. "Тверская")
http://falanster.su/
 トヴェルスカヤ界隈では人文社会系の書籍が恐らく一番充実しています。新刊書も古書もあり。店内は広々としており、本も探しやすいです。場所は少々分かりにくいですが、薄暗いアーケードの中に扉があり、そこを開けて入った2階です。アーケードの外には日焼けサロンの看板がいつも出ているので(少なくとも2011年夏〜2013年夏まではいつも出ていました)、それを目印にするとよいでしょう。
Акция Лт (Антикварная лавка) (Б.Никитская, д. 21/18; М. "Арбатская", "Тверская")
http://www.akcia-antique.ru/
 かなり年代物の古書を扱っている書店。1階ではイコンが、2階ではアンティーク雑貨が中心に販売されていますが、2階の奥に古書店があります。芸術関係、文学関係の古書が充実しており、多巻物の著作集もあります。初版本に興味のある方は足を運んでみる価値があるでしょう。なお住所とは異なり、実際には калашный переулок 沿いに入口があります(二つの通りが交差する辺りに書店は位置しています)。  ちなみに、Б.Никитская 通りを挟んで斜向かいにも書店がありますが、ここは主に宗教及び音楽関連の書籍が中心です。ただし、ごく少数ながらも文学関係の本も置かれており、文学にだけ関心のある人も余裕があったら見ておくとよいかもしれません。
Чук и Гик (Большой Палашевский пер. д. 9; М. "Пушкинская")
http://www.chookandgeek.ru/
 マンガ専門店。ロシア語と英語のマンガ及びマンガ雑誌が置かれています。日本のマンガのロシア語訳もたくさんあります。一方でいわゆるバンド・デシネ型のマンガもあり、筆者は『巨匠とマルガリータ』のマンガを購入しました。他に、マンガの批評集やフィギュアなども僅かにあります。店内は狭く、充実した品揃えとは言い難いですが、モスクワでマンガ専門店は貴重な存在。

ルビャンカ界隈

Центральная книжная лавка писателей (Кузнецкий Мост, 18/7; М. "Кузнецкий Мост")
http://lavka-pisateley.msk.ru/
 "Дом иностранной книги" という外国語専門の書店に隣接しています(なおこの書店は英語で書かれた一般書籍を中心に扱っており、品揃えはあまりよくありません)。2階建てで、文学関連の書籍は上階にあります。演劇、映画、絵画、文学等の研究書(主に古書)が充実しており、多巻物の作品集もあり。なお女店主(店員?)は親切で文学にも詳しく、探している本を尋ねると、それがお店にあればすぐに出して見せてくれます。価格も高くありません。とりわけ店先に陳列している多巻物は、極めて安価で売られています。
Циолковский (Новая площадь д.3/4 , подъезд 7д в здании Политехнического Музея; М. "Лубянка", "Китай-город", "Кузнецкий Мост")
http://www.primuzee.ru/
 "Политехнический Музей" という大きな建物の中にある書店。入口が何箇所もありますが、正しいのは "подъезд 7" という入口。もっとも、大きな看板が出ているので間違える心配はありません。ここは "Фаланстер" のいわば姉妹店であり、それだけに人文社会系の書籍の品揃えは非常に充実しています。ルビャンカ界隈では恐らく一番でしょう。店内は広く、本を探しやすい造り。新刊書も古書もあり。
Гиперион (Хохловский переулок, дом 7-9, строение 3 (вход со двора); М. "Китай-Город")
http://www.hyperionbook.ru/
 一見スラムのような場所の奥に佇む、非常にユニークな書店。ロシア・アニメーションの百科事典からプラトーノフ作品集、碩学によるバレエの研究書、ペッペルシュテインの小説まで、非常に幅広いジャンルの書籍が揃っています。他所のお店ではちょっとお目に掛かれないようなものが多く、探している本があるならば一度は訪れてみる価値あり。雑貨や絵本も販売されています。

クロポトキンスカヤ〜パールク・クリトゥールィ

Нина (Ул. Волхонка, д. 18/2, киоск в Институте русского языка им. В.В. Виноградова; М. "Кропоткинская")
http://www.kniginina.ru/
 "Нина" 書店はパヴェレツカヤ駅にあった方(すでに閉店)が有名ですが、クロポトキンスカヤ駅近くにもあります。ただし、これは「ヴィノグラードフ名称ロシア語大学」内の書店です。大通りに面した扉を開けて中に入り、受付の女性に用件を言えば、書店に通してもらえます。もっとも、店内は狭く、それほど豊富に本が取り揃えられているわけではありません。語学・文学関係の新刊書が中心。
Букинист (Остоженка, 53/2, стр. 4; М. "Парк культуры")
 駅のすぐ傍にある古書店。今時にしては珍しく、自分で本を手に取って吟味することができません。古書は全て展示ケースに入れられているか、あるいは手の届かない位置に配架されています。かなり年代物の古書ばかり集められており、そういったものに興味のある訪問者には有益かもしれません。

ノヴォクズネツカヤ〜パヴェレツカヤ

Параграф (Ул. Пятницкая д. 3/4, строение 2, Торговый центр, Магазин по стрелке "Книги, букинистика"; М. "Новокузнецкая")
http://paragraf-book.ru/
 Новокузнецкая 駅を出て右折し(2013年2月にオープンした丸亀製麺とは反対方向)、しばらく進むとアーケードがあるので、そこを潜ると、正面に "Книги, букинистика" の看板が掛かった小さなビルが見えます。この建物の階下のずっと奥の方に古書店があります。
 多巻物の作品集/全集や児童書が特に充実しており、他に演劇関係や文学関係の研究書も置かれています。また、20世紀初頭に出版された古書が貴重書として販売されています。概して良心的な値段設定。

その他

Академкнига (Ул. Вавилова д. 55 / 7; М. "Академическая")
http://www.litras.ru/
 モスクワ市内に幾つかの支店を持つ書店。例えば "Цветной бульвар" 駅の傍にも店を構えています。基本は新刊書店ですが、しかし古書の数も非常に多いです。文学、歴史、絵画、建築、音楽、数学…様々なジャンルの書籍が豊富に揃えられています。しかもかなりの低価格で販売。例えばチュコフスキーの『文学的回想』は150ルーブルでした。また、各国文学作品のロシア語訳も棚に並べられており、こちらも安く購入が可能。ちなみにモスクワ大学から歩いて20〜30分程の所に位置しているため、モスクワ大学に来た折には是非活用してもらいたいところ。
Книга МАКСИМА (1-й корп. гум. фак. МГУ, 1 этаж, около библиотеки; М. "университет")
 モスクワ大学構内にある古書店。第一人文棟1階にひっそりと店を構えています。品揃えは平均点以上。店内にある本は恐らく全てリストアップされており、仮に目当ての本を自力で探し出せなくても、書名を言えば数日中に見つけてきてくれます。店内にない場合は注文も可能。ただし、一度に大量の本を注文すると断られるので、一回に頼む量は1-2冊程度が望ましいでしょう。また高価な本もなぜか断られる場合があります。

(この項文責・小澤裕之)


付録:中央郵便局

Московский почтамт (Мясницкая ул., 26; Метро Тургеневская, Чистые пруды)
モスクワから日本に大量の本を送る場合、ここに持ち込んで船便で発送するのが最も安価で済む。ただし荷物の扱いは乱暴なことが多い。2013年現在、改築中で、 近隣の建物(Мясницкая通り沿いに駅から離れていく方向)に移転している。