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2016年度の特別講義のお知らせ

望月哲男氏 特別講義:

「ドストエフスキーと古儀式派:『カラマーゾフの兄弟』の教会裁判論を入り口に」

2016年5月13日(金) 16:30-18:30 於 東京大学(本郷キャンパス)山上会館2階大会議室
(無料・予約不要)
詳細は上をクリック↑
懇親会:19:00-21:00 大学付近、有料・要予約 *どなたでもご参加頂けます。

問い合せ先:スラヴ語スラヴ文学研究室 (slav.lecture@gmail.com

講演内容:

 『カラマーゾフの兄弟』の1部2編5章に登場する教会裁判論は、国家と教会の包摂関係や役割分担にかかわる議論として同時代性を持つと同時に、重要なテーマ提示機能を担っていると思われます。それはまず宗教的共同体の本質とは何か、教会と社会のかかわりはどうあるべきかという、作品の中心的関心に通じています。また同じく作品に通底する裁きのテーマ、包摂と排除のテーマ、さらに許しや寛容の問題とも関係しているように見えます。ではこの話題は、同じくロシア教会の関心事だったラスコール(教会分裂)および古儀式派の問題とどう関連するでしょうか? 講演では、この教会裁判論を入り口として、ドストエフスキーのラスコール観を語ってみたいと思います。

講演者プロフィール:

 望月哲男(もちづき・てつお)
 ロシア文学者、1951年静岡市生まれ。元北海道大学スラブ研究センター長。北海道大学名誉教授、現在日本ロシア文学会会長、国際ドストエフスキー協会(International Dostoevsky Society)副会長。
 ドストエフスキー研究を出発点に、19世紀から現代の最先端の作家ソローキンに至るまで、近現代のロシア文学の研究・翻訳に精力的に携わってきた。また北海道大学スラブ研究センターを拠点に、数々の国際シンポジウムなどを手がけ、世界的なロシア文学研究者ネットワークの構築に貢献、いくつもの共同研究プロジェクトのリーダーを務めてきた。最近は古典の翻訳にも意欲を示し、ドストエフスキー、トルストイ、プーシキンなどの清新かつ正確な新訳が高く評価されている。新訳『アンナ・カレーニナ』(光文社古典新訳文庫)は、ロシア科学アカデミー「プーシキンスキー・ドーム」が制定した「最優秀ロシア文学翻訳賞」(2010年度)を授与された。
 著書『ドストエフスキー・カフェ――現代ロシアの文学風景』(ユーラシア・ブックレット、東洋書店、2005年) 、『「アンナ・カレーニナ」を読む』(ナウカ出版2012)。
 主な編著書・共著/共編書に、『現代ロシア文化』(国書刊行会、2000年)、『創像都市ペテルブルグ−歴史・科学・文化』(北海道大学出版会、2007年)、『現代思想 総特集=ドストエフスキー』(2010 年4月臨時増刊号、青土社)、『ユーラシア地域大国の文化表象』(ミネルヴァ書房、2014年)。
 主な訳書に、トルストイ『イワン・イリイチの死 クロイツェル・ソナタ』『アンナ・カレーニナ』、ドストエフスキー『死の家の記録』、プーシキン『スペードのクイーン/ベールキン物語』(以上、光文社古典新訳文庫)の他、バフチン『ドストエフスキーの詩学』(共訳、ちくま学芸文庫)、ドストエフスキー『白痴』(河出文庫)、ソローキン『ロマン』(国書刊行会)、同『青い脂』(共訳、河出書房新社)などがある。

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エレーナ・カージナ氏&アンナ・ガブリリューク氏 特別講義:

『ウクライナとロシアの若手文学の研究者との交流会』

2016年4月15日(金)5限(16:50-18:35 於 東京大学(本郷キャンパス)文3号館7階スラヴ演習室(3807)

問い合せ先:スラヴ語スラヴ文学研究室 (slav@l.u-tokyo.ac.jp)

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2015年度の特別講義のお知らせ

金澤美知子教授 最終講義:

『近代ロシア文学と親不孝娘の物語 −「流行を創った作家達』

2016年1月22日(金)16:00-18:00 於 東京大学(本郷キャンパス) 法文1号館212教室

問い合せ先:スラヴ語スラヴ文学研究室 (slav@l.u-tokyo.ac.jp)


「ヨーロッパの言語と文化」特別セミナー:『スロヴェニアと旧ユーゴスラヴィア諸国の言語と教育』

11月18日(水)16:50-18:40 於 東京大学文学部3号館7階 演習室

講師:ヴェスナ・ポジガイ ハジ先生、重盛 千香子先生(ともにリュブリアナ大学)

来聴歓迎、事前申込不要 *使用言語は英語(通訳無し)


スラヴ文学研究公開セミナー・シリーズ

第1回 2015年11月6日(金)午後4時50分〜6時35分

テーマ:リュドミラ・ウリツカヤ『陽気な葬儀』における多彩な人・民族・宗教
報告者:奈倉有里(東大大学院人文社会系研究科博士課程スラヴ語スラヴ文学専門分野)

 リュドミラ・ウリツカヤの『陽気な葬儀』は、1992年から1997年にかけて書かれた中編小説で、ウリツカヤ自身のアメリカ体験をふまえアメリカに亡命したロシア人を中心に描いた作品だ。作中では主人公のユダヤ人アーリクをはじめ、さまざまな民族、宗教の登場人物が対話を交わすなか、テレビで91年の8月クーデターが起こったことを知り、人々は時代の移り変わりを感じていく。今回は冒頭部分のテキストを読むとともに、作中に表れた民族観・宗教観を探っていきたい。
テクスト: Людмила Улицкая, «Веселые похороны»冒頭5ページ

第2回 2015年11月13日(金)午後4時50分〜6時35分

テーマ:反省と漂泊――アポロン・グリゴーリエフのヴィターリン三部作について
報告者:高橋知之(東大大学院人文社会系研究科博士課程現代文芸論専門分野)

 1845年から1846年にかけて書かれたアポロン・グリゴーリエフのヴィターリン三部作と呼ばれる連作小説(«Человек будущего», «Мое знакомство с Виталиным», «Офелия. Одно из воспоминаний Виталина») を取り上げる。グリゴーリエフはみずからを「漂泊者」と規定しているが、その漂泊の出発点となった問いを明らかにすることが発表の目的である。「反省」をキーワードに、同時期のベリンスキーやツルゲーネフらの反省論と比較しつつ、グリゴーリエフの自己意識の問題を検討したい。
テクスト:Аполлон Григорьев, «Записки софиста» (グリゴーリエフのヴィターリン三部作の第一作«Человек будущего»より)

テクスト(今回はどちらもロシア語のみ)は、コピーを若干部、東京大学文学部スラヴ語スラヴ文学研究室(文学部3号館8階3807号室)に置いておきます

2014年度の特別講義



過去の特別講義