村井科研5班第1回研究会(2001/1/24)
荒野泰典の報告
- 同「東アジアの発見―『世界史の成立』と日本人の対応―」(立教大学史学会『史苑』61−1、通巻165)からの話題提供。
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報告要旨
- 藤原惺窩の「南航日記残簡」を素材にして、彼の九州南部への旅で体験した異文化体験を検討した。そこから唐人町の風景を描き出し、それが諸民族雑居の世界であったことを再確認した。ついで、三国世界から五大州へ、すなわち伝統的世界観の解体と東アジアの発見というテーマで、さまざまな古地図を見ながら検討した。まず、伝統的世界観として、行基図風の日本図、中国中心の世界図、仏教的三国世界観の南瞻部州図、朝鮮系の世界図を例示し、それが16世紀以降、ヨーロッパから新たな世界図がいくつかの経路で東アジアにもたらされ、それが伝統的世界観にどのように影響を与え、かつ解体したことを、やはり地図で確認した。(文責:高橋)
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コメント1
- 世界図を中心に、絵図史の成果・荒野氏の観点を知ることができ、メンバー間の共通理解を形成するための一階梯とすることができた。
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コメント2
- 比較的マクロな世界を扱っており、私の関心にとってはきわめて有益であった。これと同じような形式で、ミクロ、例えば、荘園図、都市図、庭園図などについても基本的な文献を検討してみたい。
ケネス・ロビンソンの報告
- J.B.Harleyの'Deconstructing the Map'についての話題提供。
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報告要旨
- 地図を脱構築するという参照論文の趣旨をまず理解するために、視覚資料をテキストとして読みこむとはどういうことか、また、パワーという用語がもつ意味合い、とくにパワー・インターナル、あるいはパワー・エクスターナルとは何を意味するか、などについて地図を用いて具体的に解説した。さらにこの論文が批判しようとした科学的楽観主義にも検討はおよんだ。それは例えば、原始的な地図から近代的な地図への発展を科学の発展との対応でとらえ、地図から呪術的あるいは政治的な意味合いが排除され、純粋に事実をとらえている地図が生み出されてきたとするような考え方である。(文責:高橋)
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コメント1
- 文献史料分析の成果を生かしながら、歴史学として地図分析を模索していく、ひとつの素材として、脱構築の立場からの論文を取り上げ、歴史研究における地図分析の方法論について討議した。
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コメント2
- 幾人かの人から、脱構築の前に、はたして我々に何か構築しているものがあるのだろうかという疑問が出され、議論されたのは大変面白かった。いずれにしても、参照論文が目の敵にしている、いわゆる科学的楽観主義から生み出されている成果も排他的にあつかう必要はないのではないか。
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