本田洋教官担当科目

大学院
科目名 北東アジア文化交流演習「北東アジア比較近代化論」
学期:夏冬 曜日・時限  金・4
 人類学(文化・社会人類学,民族学)は西洋近代社会に生まれた学問分野であり,同時代に生きる人々(民族,共同体)の社会・文化的特質を主要な調査研究の対象としてきた。今回の授業では,近代という時代に生きる人々にとって,文明としての近代はどのように経験されてきたのか,近代化は民俗社会・文化にどのような作用を及ぼしてきたのか,人々は自らの近代性をどのように生きているのかについて,韓国をはじめとする東アジア諸社会の事例に即して,人類学的な観点から検討したい。まず,人類学と関連諸分野の基礎的な文献を輪読したうえで,個別の民族誌について報告してもらい,それを素材にディスカッションをする。あわせて,参加者各人の研究状況についても,可能であれば授業のテーマや人類学的な視角と関連付けて報告してもらいたいと考えている。講読する文献は開講時に指定する。
学部
科目名 韓国朝鮮文化特殊講義「社会人類学と韓国朝鮮研究I」
学期:夏 曜日・時限  月・5
テーマ:欧米人類学の歴史・理論と日本の関連研究
 欧米人類学(民族学、社会人類学、文化人類学)の歴史と理論を、課題の変化あるいは跳躍の歴史という独特の観点から叙述した英国の人類学者Alan Barnardのテキストを講読・解説するとともに、日本で発表された関連研究(韓国朝鮮に関する人類学的な研究を含む)を紹介する。扱われるテーマは、進化主義、伝播論・文化圏説、機能主義・構造機能主義、社会過程論、相対主義・認知人類学、構造主義、解釈人類学等々である。テキストはこちらでマスター・コピーを準備するが、各自購入しても差し支えない。
テキスト:Barnard、 Alan、 2000、 History and Theory in Anthropology、 Cambridge: Cambridge University Press.
科目名 韓国朝鮮文化特殊講義「社会人類学と韓国朝鮮研究II」
学期:冬 曜日・時限  月・5
テーマ:韓国朝鮮の社会人類学
 担当教員の調査データを含む民族誌的事例の紹介を交えながら、韓国朝鮮社会を対象とする人類学的研究の新旧の動向について解説する。扱うテーマは、植民地期の先駆的な調査研究、社会組織と民俗、親族組織と祖先祭祀、宗教・信仰、儀礼と芸能・祝祭、産業化と都市化に伴う地方社会と民俗の変化、身分伝統の再生産、文化・歴史の再構築・資源化などを考えている。受講にあたって、韓国・朝鮮社会、あるいは社会人類学に関する予備知識を特に必要とするものではないが、伊藤亜人著『アジア読本韓国』(河出書房新社、1996年)や伊藤亜人編『もっと知りたい韓国 第2版』1・2(弘文堂、1997年)等の関連文献を関心のおもむくままに拾い読みしておくと理解の度合いが深まると思う。
科目名 韓国朝鮮文化演習「韓国朝鮮文化研究」
学期:通年 曜日・時限   金・2
韓国朝鮮の文化と社会に関する人文社会分野の論文・著作を講読する。テキストとしては、近代性の形成(例えばモダンに対する認識、知識人のルンペン文化、大衆文化、新女性、都市的感受性の形成や性意識の変化)について植民地期の資料を中心とする日常的で具体的な事例を豊富に盛り込んで論じた好著『ソウルにダンスホールを許せ』(キム・チンソン著、韓国語)を候補として考えているが、受講者の顔ぶれによっては別の論文・著作を扱う可能性もある。韓国語初級以上の知識と韓国語文献を読む意欲が多少なりともあれば、こちらで可能な限り手助けをするので、なるべく韓国語で書かれたものを中心に読んでもらいたいと考えているが、そうでない場合でも、日本語や英語で書かれた文献を読んでもらえれば差し支えない。