名古屋大学 『文学部案内』 1987年秋

西洋史研究室のあれこれ


  西洋史の学部学生が主体になる年中行事で、授業ではないが、半ばフォーマルなものとして、次のようなことがある。4月に研究室の図書整理、ゴールデン・ウィークに中津川合宿(後述)、年に2人遠方から集中講義に来てくださる先生を囲む会、4期生の歓迎会、11月に卒業論文研究会、3月に追い出しコンパ。この他に、大学院生がテューターになって話題の本や論文を読む会がつづいているし、年に数回、話題の歴史家を迎えて開く研究討論会に出席して、文字通り「末席を汚す」こともできる。もちろん、こういう真面目な催し以外に、色々の理由をつけて飲み食いする会がある。   

  例年4月の終わりか5月の初めに中津川の大学研修センターで行なっている1泊2日の合宿について、少し説明をくわえよう。これには4年生と教官は全員参加、3年生と大学院生はできるだけ多くの人が参加することになっている。

  この合宿の目的は、第1に、4年生の卒業論文、修士2年生の修士論文について、それぞれ計画と進展情況を報告し、お互いに質疑討論すること、第2に、研究室の教官、学生の親睦である。学問と親睦と、ふたつの目的のどちらも大事なのだが、夜、車座になっての放談会では、長谷川博隆先生はずいぶんお酒をたしなむ方だとわかったり、翌朝の散歩で木谷勤先生の健脚について行けなかったり、ソフトボールをやって、高校時代に甲子園をめざすピッチャー・四番打者であった佐藤彰一先生の大活躍に感心したり、教室では想像もしなかったことが知れたりする。中津川合宿は、教官も学生も、お互いをもう少し知る良い機会なのだ。

近藤 和彦