ご注意

海外旅行を十分に楽しむために、皆々さま、最低限の注意・警戒は欠かさず。
以下には、聞いたかぎりでの危ない話を引用します。

Oくん、Mくん、Nくん、Ramonさん、それぞれ貴重な体験と情報をありがとう。
Madrid

2000. 11. 3 更新


地中海都市のいくつか
                       <引用>
                       はじめまして。Ramon Llullと申します。西地中海世界あたり
                      で活動するものです。(今はふだんは日本におり、夏に季節労
                      働者として短期渡航しています。)
                       マドリードも相当治安が悪化しているようですね。私が4年前
                      に行ったときは危ない目に会いませんでしたが、シエスタが明
                      ける午後6時以降の人出はお祭りの時みたいにすごくて、スリ
                      が紛れ込んでいるのではないかと警戒しました。
                       むしろこわかったのはバルセロナの方で、サクラダ・ファミリ
                      アとかゴシック地区でジプシーの花売りが、強引にカーネーシ
                      ョンを上衣の内ポケットに突っ込もうとしました。また、目ぬき
                      通りのランブラスではケチャップやソフトクリームを背中につけ
                      てそれを指摘し、カモが服を脱いでいる隙に財布をする犯罪
                      が多発していました。(今は日本でもあるそうですが。)
                       セビーリャやグラナダなどのアンダルシア諸都市は比較的
                      安全でした。もっとも今の状況は知りません。アンダルシアへ
                      旅行する場合はアムステルダムやフランクフルトからセビーリ
                      ャに直接飛ぶのが、マドリードを経由せず安全かもしれませ
                      ん。
                       イタリアについては、ローマは聖年ということもあり、治安は
                      相当よくなりました。ただ悪名高い64番のバス(テルミニ駅〜
                      ヴァチカン)は常時スリがいるので避けるべきです。またイタリ
                      ア、いや全欧で一番恐いのはナポリです。私も駅のトイレの前
                      で麻薬患者にからまれそうになり、肝が冷えました。10メート
                      ルおきに警官がいて、怪しい者がいないかどうか見張ってい
                      ます。まるで爆弾テロがあったような物々しさです。
                       パリでは、メトロの4番線(とくに北駅〜シャトレ間)が危険で
                      す。私の経験でも、発車間際に若者7〜8人がいきなり乗って
                      きて私を包囲し、私はなんとか包囲網を脱出しましたが、彼ら
                      がシャトレで集団で降りるときに連れの財布をすろうとしまし
                      た。連れはタックルして難を免れました。地方都市ではマルセ
                      イユの危険さが群を抜いています。駅前に階段があり、その
                      たもとに数人のジプシーの子供がつねにたむろし、手をつな
                      いで通行人の行く手を遮ろうとします。駅周辺のアラブ人居住
                      区も危険です。
                       以上、私の見聞をもとにヨーロッパの治安状況について書
                      いてみました。参考になれば幸いです。
                      <引用おわり>




2000年6月 マドリッドでの事件 Oくんより

 <引用>
 日曜日の昼過ぎ、プラド美術館を鑑賞した私たちは、炎天下の中、評判のパエリア
 専門店に向かって大通りを歩いていました。途中、数十メートル後ろを歩いていた
 二十歳くらいの男が道路の反対側にいた三人の男に何か叫ぶと、彼らは車が
 ビュンビュン走る中を強引に走り抜けて道路を横断して来ました。あまり柄のよく
 ない連中だったので、地元の不良だろうと思いましたが、気にもとめませんでした。

 しばらく歩いて角を曲がり、裏道に入りました。目的の店まではもうすぐです。
 そのとき、2人の男が私の少し前を歩いていた友人Mに飛びかかりました。あっと
 思った瞬間、私は後ろから首を絞められていました。前からもう一人の男が迫って
 きます。さっきの連中です。「やられた」と思ったところで私の意識は途切れました。

 夢を見ているような感覚の中、ひどい頭痛とともに意識が戻ってきました。一足
 先に意識を取り戻した友人が「大丈夫か」と声をかけ、助け起こしてくれました。
 「落ちていた」のはほんの数十秒かそこらだったようです。
 力任せに首を絞められたためのどが痛く、息をするのがやっとです(その後数日
 間はのどの痛みと首の筋肉痛に悩まされました)。ポケットの中の財布(VISAカー
 ド、銀行のキャッシュカード、現金約 2万ペセタ(12000〜13000円。私の所持金
 すべて)、国際学生証が入っていました)はすでになく、肩に掛けていた
 ナップザックも奪われていました。なぜか腕時計とカメラは無事でした。友人は
 現金約 7000ペセタとカメラの入ったポーチを奪われていました。もちろん 4人は
 すでに姿を消していました。

 すぐに最寄りの交番に駆け込んで被害を訴えたところ、「そこはうちの管轄じゃ
 ないから○×署へ行け」という対応。炎天下の中1キロほど離れた交番に歩き着
 いたときには事件発生から20分以上が経過していました。一刻も早くカードを止
 めなければなりません。被害届を出し、警察の証明書の写しをもらった後、警官
 にその旨を説明し、電話を貸してくれと言うと、「そこに公衆電話があるからそれ
 を使え」とのこと。所持金はすべて奪われていたため、警察の電話を貸してくれ
 と言うと、それはできないと言われました。一刻を争うんだと説明しても「そんな
 ことは知らん。電話は貸せない」の一点張りで、全く取り合ってくれません。
 スペイン語が話せない私は、無念の思いで友人と警官のやりとりをずっとそばで
 見ているほかありませんでした。

 こうなったら友人の家に戻ってそこから電話するしかありません。しかし歩いて
 帰れる距離ではありません。仕方がないのでタクシーを拾い、事情を説明して
 お金は家に着いてから払うということにして乗せてもらいました。そんなこんな
 で彼の家から英国と日本の友人に電話してカードを止めてもらったのは事件
 発生から1時間半後でした。

 友人と彼のフラットメイトの話では、私たちを襲ったのはおそらく不法入国をし
 ているモロッコ人だろうとのことです。スペインには多くのモロッコ人が居住して
 いますが、彼らの相当数は不法入国者でこの手の犯罪を重ねているそうです。
 とりわけ治安が悪いのはマドリッドとバルセロナで、盗みは日常茶飯事のため警
 察もろくに捜査をせず、犯人はまず捕まらないそうです。スペインでは盗みの刑
 は非常に軽く、万一捕まっても一晩ブタ箱にはいるだけで釈放されるそうです
 (ちなみにモロッコでは手首を切り落とされるとのこと)。相手に外傷を負わせ
 ると罪が重くなるので、締め落として金品を奪って逃走するというのが常套手段
 だそうです。

 今までに訪れた各地で危ない目にあったことはなかったため、
 すっかり平和ボケしていたようです。
 <引用おわり>
 

2000年6月 マドリードでの事件 Mくんより

 <引用>
 ご存知かもしれませんが、ヨーロッパの中でもスペイン、特にマドリードは、観光客
 にとって最も危険な地域です。

 僕は常日頃から、日本人が犯罪の被害にあったという類の話しを散々聞かされていた
 ので、中心部を歩くときには小走りでキョロキョロまわりを見まわしながら歩くように
 していました。しかし、O君と歩いていたときは、彼を差し置いて早足で歩くわけにもゆかず、
 しかも日本語で話していたので、いかにも観光客という感じになってしまい、かえって
 狙われやすくなってしまったようです。
 まさか白昼堂々と襲われるとは思いませんでした。

 一昔前までは、犯罪が多かったのはマドリードの特定の観光スポットだけだったので、
 そこに行くときにだけ注意しておけばよかったのですが、いまではマドリードで安全と
 言えるところはなくなってしまいました。
 被害にあった場所は、グランビーアというマドリードの目抜き通りの近くでしたが、
 日曜日だったのでたまたま人通りが途絶えていて、平日ならパトロールしているはず
 の警官もいませんでした。
 このことに早く気付くべきでしたが、ふだんから歩きなれていた道だったので、少し
 油断していました。

 スペインでは、警察は日本みたいに親切には対応してくれません。これが日本なら、
 たったいま首を絞められて金を奪われたばかりだと言ったら、すぐにでもパトカーを
 走らせて追跡調査をしてくれることでしょう。しかしスペインでは、そんなことは日常
 茶飯事なので、いちいち対応などしてくれません。日本で財布を落としてもいちいち
 探してくれないのと同じことです。それでもわざわざ警察に行くのは、保険会社に
 対して被害届を提出する必要があるからです。
 しかしO君は相当にショックを受けていたようで、警察の対応の悪さにも憤慨して
 いました。

 スペイン料理のうまさに感激して帰って行ってくれたのが せめてもの救いです。
 <引用おわり>
 

マドリッド・コロン広場  Nくんより

 <引用>
 ホームページに載っていましたスペインの危ない話、実は家族が昨年までマドリッドで
 働いておりましたので似た話をよく聞いています。とにかく日本人だというだけで狙われ
 ますので、旅行される方にはくれぐれも注意して欲しいところです。

 例えば、マドリッド・バラハス空港からコロン広場行きのバスというのは
 よく利用される方法ですが、これに乗って、終点のコロン広場で降りては
 絶対にいけないそうです。バスから降りてくるところを その場で囲まれて
 羽交い締めにされるとか。

 ヨーロッパ好きには 余計に悲しい話ですね。
 <引用おわり>

  → スペイン


  → リンク集