TIPAインストールの概要
◆基本
TIPAのディレクトリの構成は次のようになっています。以下の説明では、どこか適当な作業用ディレクトリに、これらの各ディレクトリおよびその下に含まれるすべてのファイルが準備されているものとします。
sty — さまざまなマクロファイル
mf — メタフォントソースファイル
tfm — フォントメトリックファイル
doc — マニュアル
dvips — dvips用マップファイル
type1 — PostScript type1 フォントファイル
もっとも基本的なインストール作業は次の2つです。
(1) styディレクトリに含まれるすべてのファイルを、LaTeXのマクロファイルとして適当な場所にコピーする。
(2) mfディレクトリに含まれるすべてのファイルを、メタフォントソースファイルとして適当な場所にコピーする。
具体的には、次のようになります。ここでは、仮にTeXの基本ディレクトリがC:\usr\local\share\texmfであるとします。
mkdir C:\usr\local\share\texmf\fonts\source\tipa
copy mf\*.* C:\usr\local\share\texmf\fonts\source\tipa
mkdir C:\usr\local\share\texmf\tex\latex\tipa
copy sty\*.* C:\usr\local\share\texmf\tex\latex\tipa
mktexlsr
フォントファイルとしてpkフォントを用いる場合には、これですべて終了です。うまくいったかどうかテストするために、マニュアルをコンパイルしてみましょう。
docディレクトリに移動してから、次のコマンドを順に実行します。
latex tipaman
bibtex tipaman
latex tipaman
latex tipaman
最初は、tfmファイルを生成するのにかなり時間がかかると思いますが、一度できてしまえば、そのあとは早くなるはずです。
◆TIPAフォントの入ったPDFファイルを作る
TIPAのフォントを埋め込んだPDFファイルを作る場合には、以上の基本インストールに加えて、次のインストール作業が必要になります。
copy dvips\tipa.map C:\usr\local\share\texmf\dvips\config
mkdir C:\usr\local\share\texmf\fonts\type1\tipa
copy type1\*.* C:\usr\local\share\texmf\fonts\type1\tipa
mktexlsr
さらに、C:\usr\local\share\texmf\dvips\configに含まれるconfig.psまたはconfig.pdfという名前のファイルの終わりの方に次の1行を付け加えます。
p +tipa.map
これでOKです。あとは、先ほどコンパイルしたマニュアルをPDFファイルにしてみましょう。
dvips –Ppdf tipaman
こうするとtipaman.psというファイルが作られるので、それを例えばAcrobat Distillerにかければできあがりです。
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