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9月22日、国際ワークショップ「日本のシルクロード外交JAPAN'S SILK ROAD DIPLOMACY: PAVING THE ROAD AHEAD」が、東京大学山上会館大会議室にて、イスラーム地域研究東大拠点と北海道大学スラブ研究センターとの共催に加え廣瀬徹也・元駐アゼルバイジャン大使の協力により開催された。また本ワークショップは、アメリカとスウェーデンを中心に活動する中央アジア・コーカサス研究所(ワシントンD.C.)&シルクロード研究プログラム(ストックホルム)(CACI & SRSP)から多くの研究者を招いている。共同議長は、廣瀬氏とChristopher LEN氏(CACI & SRSP)であった。 廣瀬氏による開会の辞に続いて、第一セッション「中央アジアにおける日本の新しい役割」から各報告が始まった。以下、報告毎に簡単に内容を紹介する。タイトルは筆者が仮に訳したものであり、正確には、出版される予定である日本語版報告集に拠って確認されたい。
つづく第二セッションは「グローバルあるいは地域的文脈の中での日本=中央アジア関係」と題され、より大きな国際関係の枠組みの中での日本と中央アジアの関係のあり方を模索するものであった。
第三セッションは「日本=中央アジア関係の経済的側面」である。
このワークショップの特徴の一つに、中央アジア各国の元大使の参加が多く見られたことがある。ディスカッションにおいては、日本の協力の象徴というべきODAのあり方について質問が寄せられていたが、大使として赴任していた諸氏からのいわば生の情報も提供され、議論が盛り上がったことは注目すべきであろう。 全体の議論を通して、既存の上海協力機構に対してどのようにかかわっていくのか、また中央アジア諸国に共通する民主化の問題にどう貢献していくのかが、日本の外交にとっての大きな課題としてあることが理解できたように思われる。また総括討論において廣瀬氏が述べたように、コーカサスに対する日本の立場についても同様に議論を進めていくことが必要であろう。中央アジアに対して日本の果たすべき役割が決して小さくないことは、今回の各報告によれば明白であり、それだけに日本外交の今後を注視していきたい。 なお当ワークショップについては、英語版・日本語版それぞれの報告集が出版予定であると聞いている。この日の成果が継承されていくことを願うばかりである。 |