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| Popular Islamic Literature in Kazakhstan: An Annotated Bibliography | |
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| Allen J. Frank ed. Popular Islamic Literature in Kazakhstan: An Annotated Bibliography Hyattsville: Dunwoody Press, 2007, xix-201 pp. |
紹介
| 本書は、編者が1995年秋にアルマトゥとトルキスタン市で収集した合計115点の小冊子体によるイスラーム文献の解説付きビブリオグラフィーである。巻末にはそのうち２点のカザフ語テキストと英語訳が収められている。ソ連末期から中央アジアの各地では、モスクやマザールはもとより、バザールや地下鉄駅、さらには繁華街の路上などで、イスラームの教義や儀礼、倫理、道徳の解説、偉人伝や講話などを収めた安価な小冊子体の文献が大量に販売されるようになった。これは現代中央アジアにおけるイスラーム復興の重要な一部をなす潮流だが、これらの文献はこれまで十分な研究の対象となることも、また体系的に収集・保存されることもなかった。こうした状況にあって、編者は、かつて帝政末期に東洋学者N.F.
カタノフが1896-1904年間にヴォルガ・ウラル地域のムスリム刊行物を調査・記録したVostochnaia
Bibliogarafiia の例にならって、現代カザフスタンの大衆的なイスラーム文献の調査と整理を試みている。調査の期間と収集した量には限りがあるとはいえ、こうした資料にロシア革命前のイスラーム文献との連続性や現代イスラームをめぐる論争との関係性を見いだそうとする編者のアプローチは、その発展性を含めてきわめて興味深い。同様な調査は、中央アジアの他の地域でも十分に可能だろう。
小松久男 |