ジャッキー・リーム・サッローム氏の講演
       (アラブ系米国人映画監督)

 イスラーム地域研究・東大拠点グループ2の中東社会史班は、20091219日(土)午後に、東京外国語大学「世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業」、国際交流基金(JFサポーターズクラブ)と共催する形でトークセッションを行った。講演者のジャッキー・リーム・サッロームさんは、気鋭のアラブ系米国人映画監督・アーティストで、パレスチナ人ラップミュージシャンを追った長編ドキュメンタリー作品によって、世界各地で受賞している。

 まず最初に、ジャッキー氏がアラブの出自を持つアメリカ人として、合衆国でどのように生活して来たのか、移民である両親の世代との感覚の違いなどの体験を語ったのち、自身の作品を実際に上映しながら「ハリウッド映画における他者の表象―アラブ人・ムスリム・アジア人」について講演した。次いで、ゲスト講師として、村上由見子氏(慶應義塾大学講師、『ハリウッド100年のアラブ―魔法のランプからテロリストまで』などの著者)が、日本人が(主としてかつて)ハリウッド映画で現在のアラブ人のように奇矯に描かれてきた事実を映像とともに照射した。比較の鏡が加えられたわけである。さらに酒井啓子氏(東京外大)や大稔哲也(東京大学)が中東の映画や現地でのハリウッド映画上映などについてコメントを加えた。質疑を加えると、時間は全く不足したが、入場申し込みを制限するほどの盛況ぶりであった。


  



                        NIHU Program: ISLAMIC AREA STUDIES
                          IAS Center at the University of Tokyo (TIAS)
                                            
GROUP2
  Structural Change in Middle East Politics