2009年度第1回研究会:
 「パレスチナ研究班」第1回研究会
 

ヤコヴ・ラブキン教授連続セミナー

(第一回:7月16日(木)16:00~18:00

第二回:7月19日(日)14:00~17:00)


  日時: 2009年7月16日(木),16:00時から18:00時
     Is Judaism an Obstacle to Peace in Israel/Palestine?
     2009年7月19日(土),14:00時から17:00時
     The Use of Force in Jewish Tradition and Zionist Practice.
 場所: 東京大学東洋文化研究所会議室
 

ご自身も信仰深いユダヤ教徒であるラブキン教授は一般的に「ユダヤ人の国家」として報道されているイスラエルと宗教との関係が“逆説的なもの”であると説いている。ラブキン教授によると、ナショナリズムが強くなったヨーロッパで世俗ユダヤ人によって提唱されたシオニズム運動はイスラエルという国家の誕生過程において重要な役割を果たしたものの、この運動は当初から伝統ユダヤ教徒や西欧社会に高いステータスを得ていたユダヤ教徒に受け入れられなかったという。そして以上の流れを汲む思想潮流は現在、イスラエルの在り方およびパレスチナ人との和平においてそれぞれ独自の見解を持ちえている。

ラブキン教授は恒久平和の実現のために「二国家」解決ではなく、イスラエルが「シオニスト国家」から脱皮し、ユダヤ人とムスリムとの共有の国家として再構築されるべきだと力説する。しかしそれを妨げているのは特に1967年以降強力になったユダヤ人の「宗教ナショナリスト」勢力だけではなく、米国に大きな政治力を誇示し、イスラエル「宗教ナショナリスト」を強く支持するエバンジェリカン派(福音派)キリスト教徒も同様に重要な役割を果たしている。逆に、伝統ユダヤ教徒はイスラエル国家像の再定義に大きく貢献するポテンシャルをはらんでいると教授は強調する。



                        NIHU Program: ISLAMIC AREA STUDIES
                          IAS Center at the University of Tokyo (TIAS)
                                            
GROUP2
  Structural Change in Middle East Politics