2008年度第2回研究会:「パレスチナ研究班」第1回研究会
共催:イスラーム地域研究東京大学拠点グループ
「中東政治の構造変動」パレスチナ研究
日時: 2009年3月3日(火) 16:00~18:00
場所: 早稲田大学イスラーム地域研究中心拠点会議室
報告者・報告題目: Sara Roy(ハーバード大学中東研究所上級研究員)
「パレスチナ研究におけるガザの位置づけ」
サラ・ロイ氏の報告は、イスラエルによる占領や封鎖がパレスチナ経済にあたえる影響を、特に中東和平交渉以降に焦点を当てて分析したものだった。オスロ合意は占領の終結を目指したものではなく、むしろパレスチナの領域的分割を進め、パレスチナ問題を人道支援の問題に矮小化するものだった。イスラエルは占領と和平を両立させる道を見出し、国際社会はそれを追認した。2008年のガザ地区封鎖は、単にそれを徹底させるものに過ぎず、イスラエルの拡張主義はもはや制止できないまでに達しているとの評価がなされた。
(錦田愛子)
NIHU Program: ISLAMIC AREA STUDIES |