2007年度第14回研究会:「パレスチナ研究班」第6回研究会
日時: 2008年1月30日(水) 18:30~20:30
場所: 東京大学東洋文化研究所会議室
講師: カイス・フィロ教授 (ハイファ大学)
Pro. Kais M. Firro (Haifa University)
話題:
イスラエル社会におけるドルーズ派の位置づけ
Druze in Israel
1月30日(水)18:30より行われたFirro氏の「イスラエル社会におけるドルーズ派の位置づけ」についての発表は、公文書を元にイスラエルにおけるドルーズ教徒の位置づけを再考したものであった。ドルーズ教徒の兵役への参加や特別な位置づけに関わって、発表の焦点となったのはイスラエル建国直後のドルーズの村落への帰還許可とスエズ戦争時のドルーズ徴兵に関わる資格を巡って他のアラブ系イスラエル人との差異化が紹介を通じたイスラエル国内での強制的な中立化とそのメカニズムについての説明がされた。イスラエル国家の政策によって「創造された」エスニック集団としての位置づけは出席者の関心をあつめた。出席者の中からは、婚姻に関わる他教徒との融合の可能性や同じく少数派のキリスト教徒との比較について質疑がなされたが、ドルーズ教徒の社会的位置づけ、経済的な側面などから社会的な側面からも特異な立場に置かれていることが説明された。また、レバノンやシリアのドルーズとのつながりがあること、国境の枠組みにとどまらない広がりがあるといった点も強調された。
NIHU Program: ISLAMIC AREA STUDIES |