2007年度第10回研究会:「パレスチナ研究班」第4回研究会
  
 
日時: 2007年11月13日(火) 10:00~12:00
  場所: 東京大学東洋文化研究所会議室
  講師: シャイフ・バラカート・ファウズィー・アブドゥルハサン
    (アル・クドゥス大学イスラーム研究講師)

      Shaykh Barakat Fawzi Abdul-Hasan (Lecturer in Islamic Studies,
    al-Quds University, Jerusalem)

    ジャマール・カーディル教授
    (ベツレヘム大学宗教学教授)
 
    Professor Jamal Khader 
    (Chairman of Department of Religious Studies,Bethlehem University,
     Palestine)

    イエホダヤ・アミール教授
    (ヘブライ・ユニオン・カレッジ・イスラエル
    ラビ育成プログラム長

  Rabbi Professor Yehoyada Amir (Director of the Israel Rabbinic Program,
  Hebrew Union College, Jerusalem)


話題:
 パレスチナ/イスラエルにおける三つの一神教の共存に向けて


ワークショップの冒頭に各々の講師はエルサレム問題を中心にイスラエル・パレスチナ問題に関して自らの見解と立場を述べた。

三氏の意見は「エルサレム問題」の国際色が強く、世界中のイスラーム教徒やキリスト教徒及びユダヤ教徒の多くがこの問題に当たって自らを利害関係者として見做していることに一致し、この意味で「エルサレム問題」の解決は国際社会の積極的な取り込みを必要としているという。

 

一方、パレスチナ人キリスト教徒のカーディル教授とイスラーム教徒のアブドゥルハサン師は2000年以降、7年間にもおよぶ暴力の応酬や経済生活水準の急低下などがパレスチナ人を疲弊し、パレスチナの内紛激化も相俟って、近い将来の平和の実現に対するパレスチナ人の希望の芽を摘んでいることを主張した。パレスチナの現状と比べて、イスラエル人のアミール教授によると、イスラエル側では1990年代にみられた市民による積極的な平和活動が現在見られなくなっているもののイスラエル社会と政治正統の主流派は恒久平和の実現のためパレスチナ国家の樹立が不可欠であり、そのためにイスラエルがかなりの「犠牲」を払う用意をするべきだということを容認している方に傾いているという。

 

その後、パレスチナ研究者及び一般出席者から占領地を中心にパレスチナ(人)とイスラエル(人)との「真」の関係やパレスチナ内紛などに関する興味深い問題提起・質問はあり、活発な議論を引き起こした。


 

                        NIHU Program: ISLAMIC AREA STUDIES
                          IAS Center at the University of Tokyo (TIAS)
                                            
GROUP2
  Structural Change in Middle East Politics