職名 准教授
専修課程 日本語日本文学専修課程
専門分野 日本語日本文学専門分野
研究室 国文学研究室
詳細情報 詳細情報【PDF: 263KB】
2018-2019年度【PDF: 187KB】
2020-2021年度【PDF: 182KB】

日本の中世文学・和歌文学の研究を専攻している。特に平安時代後期から中世にかけての言説を研究の中心とし、鴨長明の諸作品(『方丈記』『無名抄』『発心集』)と和歌・歌学書・歌論書を主たる分析対象としてきた。核となる問題意識は、言葉がどのような世界をつくりだすのか、何を実現するのかということにある。その現場を、表現が巧まれる必然性・言説の主体や文化圏の価値観や構想という視点から分析し、ここまで、中世前期における人と言葉の有り様の解明を試みてきた。また、中世に限ることではないが、古典文学・歴史的な典籍を研究することは、時間軸上で現代の言葉・私たちの言葉を相対化し、可視化することにつながると考えている。近年は、言葉によって世界が構築される事例として、新古今時代を描出する『源家長日記』の分析を進めている。また、中世における紀行文学隆盛の基底として、巡礼記や和歌を伴う旅の記・物語といった作品群に着目し、旅・移動をめぐる言葉の動態を表現史・文学史として把握することを目指している。著書に、『鴨長明研究──表現の基層へ』(勉誠出版、2015)がある。