学部

研究調査倫理

ダウンロード >>Research_Ethics-04.doc(44KB)

2017年度 授業紹介

UTmateをご参照下さい。

社会学概論(2017年度)の概要と日程

この講義について

 今年度も、毎週金曜日(1・2時限)、合計10回のオムニバス形式で「社会学概論」講義を行います。(その他に、計6回のTAセミナーがあります。)
 それぞれの教員が毎週金曜日に2コマの講義を行いますが、そのときにレポート執筆のための指定文献(参考文献と間違えないこと)を指示します。各自それを読んで、必ず次週の講義時に当日の教官(したがって前回の先生とは別の方)にレポートを提出してください。指定文献に複数あがっている場合は、そのうちのいずれか一つを選択してください。ただし、レポートのテーマは指定文献を参考にしつつ別途設定する場合もあります。なお、毎回授業中に、受講生からのフィードバックのためコメントカードを配布します。
 レポートの長さはA4用紙1枚(1500~2000字)程度、原則としてワープロによるものとします。成績評価は、出席状況とレポートによって行います。

2017年度社会学概論スケジュール

・講義は以下の日程で行われる予定です(金曜1-2限)
・教室は教養学部 駒場5号館 511教室です

担当教員 授業日 テーマ
 白波瀬 佐和子  2017年9月29日  イントロダクション
 祐成 保志  2017年10月6日  第1回講義
 出口 剛司  2017年10月13日  第2回講義
 赤川 学  2017年10月20日  第3回講義
 本田 洋  2017年10月27日  第4回講義
 小林 真理  2017年11月10日  第5回講義
 中村 雄祐   2017年12月22日  第6回講義
白波瀬 佐和子  2017年12月1日  第7回講義
佐藤 健二  2017年12月8日  第8回講義
 武川 正吾   2017年12月15日  第9回講義
      


各講義の概要

【第1回講義】

○ 都市空間と地域社会Ⅰ(祐成保志)

社会学における都市・地域研究の論点と課題について、英米の「ハウジングの社会学」のなかに見出される社会心理学/政治経済学/エスノグラフィという方法を手がかりに検討する。

○ 都市空間と地域社会Ⅱ(祐成保志)

日本の都市空間と地域社会の特質について、「持ち家社会」の形成過程とその帰結に焦点をあてて、住宅に関わる政策・産業、働き方、住民組織、家族関係との関連に着目しながら考察する。

指定文献

祐成保志, 2008, 『〈住宅〉の歴史社会学』新曜社

Merton, R. K., 1948=2011, The Social Psychology of Housing, in Wayne Dennis ed., Current Trends in Social Psychology, University of Pittsburgh Press, 163-217.(祐成保志訳「ハウジングの社会心理学」『人文科学論集人間情報学科編』45, 信州大学, 135-164

Kemeny, J., 1992=2014, Housing and Social Theory, Routledge.(祐成保志訳『ハウジングと福祉国家』新曜社)

Lowe, S., 2011=2017, The Housing Debate, Policy Press.(祐成保志訳『イギリスはいかにして持ち家社会となったか』ミネルヴァ書房)


【第2回講義】

○ コミュニケーションと社会的自己の社会学Ⅰ(出口剛司)

 自己の生成と構造をコミュニケーションに関する基本学説を取り上げながら明らかにしていく。また「社会の液状化」「個人化の進展」「心理主義化する社会」等の命題を検証し、現代社会におけるコミュニケーションの構造的特徴と病理現象について考察する。

○ コミュニケーションと社会的自己の社会学Ⅱ(出口剛司)

 コミュニケーションによる社会空間の創造と変容過程について、歴史的かつ理論的に考察する。とくに批判理論における公共性研究、承認論を取り上げながら、社会批判や社会構想のコミュニケーション的基礎を探る。

指定文献

出口剛司, 2010, 「アクセル・ホネットの承認論と批判理論の刷新:批判理論はネオリベラリズム的変革をどう批判するのか」『現代社会学理論研究』(第4号、2010年)

――――, 2011a, 「批判理論の展開と精神分析の刷新:個人の終焉から新しい個人主義へ」『社会学評論』(61-4

――――, 2011b, 「社会とコミュニケーション」(鈴木健編著『コミュニケーション・スタディーズ入門』、大修館書店)

――――, 2014a, 「〈メディア〉が生み出す欲望と愛情――「本当の恋愛」と「究極の純愛」のはざまで」(豊泉周治・鈴木宗徳・伊藤賢一・出口剛司著『〈私〉をひらく社会学』、大月書店)

――――, 2014b, 「民主主義を支える〈最初の約束〉――代表制と多数決のよりよい理解をめざして」(豊泉周治・鈴木宗徳・伊藤賢一・出口剛司著『〈私〉をひらく社会学』、大月書店)

――――, 2014c, 「愛国心から国の「カタチ」へ――憲法パトリオティズムを考える」(豊泉周治・鈴木宗徳・伊藤賢一・出口剛司著『〈私〉をひらく社会学』、大月書店)

 

【第3回講義】

○ 社会問題の社会学Ⅰ(赤川学)

 社会問題を分析する三つの社会学的アプローチについて、それぞれの分析手法の長所と短所について論評する。とりあげる社会学理論は、ロバート・マートンの機能主義、ゲイリー・ベッカー以降のラベリング理論、スペクター&キツセ、ジョエル・ベストらの構築主義である。

○ 社会問題の社会学Ⅱ(赤川学)

 社会問題の構築主義アプローチが、どのような理論的前提をもとに、何を明らかにするアプローチであるかを、スペクター&キツセ、ジョエル・ベストらによる自然史モデルとその実例をもとに論じる。さらに、その研究プログラムが、制度や社会の望ましさを直接的に考察する正義論とどう異なるかについても述べる。 

指定文献

赤川学. 2012. 『社会問題の社会学』弘文堂.

Best, Joel. 2001. Damned Lies and Statistics. The Univ of California Press = 2002. 林大訳『統計はこうしてウソをつく』白揚社.

中河伸俊・赤川学編. 2014. 『方法としての構築主義』勁草書房.

Spector, M. & Kitsuse, John, I. 1977. Constructing Social Problems, Menlo Park, CA: Cummings Publishing Company. =1990. 村上他訳『社会問題の構築:ラベリング理論をこえて』マルジュ社. 

【第4回講義】

○ 民族誌の読み書きⅠ:民族誌の方法を学ぶには/民族誌の書かれ方を読む(本田洋)

民族誌の実践のしかたを学ぶひとつの方法として,民族誌叙述の読解を取り上げる。フィールドワークと民族誌の方法を学的規範として確立したマリノフスキーの『西太平洋の遠洋航海者』,構造機能主義の理論的指導者であるラドクリフ=ブラウンの薫陶を受けたエヴァンズ=プリチャードの『ヌエル族』,そして近年の日本の若手研究者による実験的民族誌を例に,問題設定と理論的背景,資料収集の方法としてのフィールドワーク,ならびに文書(テクスト)としての叙述のスタイルを概観し,民族誌の方法についての導入とする。

○ 民族誌の読み書きⅡ:民族誌を裏読みする/若干の理論的背景(本田洋)

まず,韓国の村落社会を対象とした民族誌を取り上げて,豊かな民族誌資料を批判的に読み解くことから,対象の再認識と新たな問題設定が可能となることを示す。次に,この「裏読み」の主題であるコミュニティ概念をひとつの手がかりとして,古典的な民族誌と近年の実験的な民族誌との間に見られる理論的視角の転換を,「構造」と「実践」という概念を両極にとって粗描する。

指定文献とレポート課題

 テキストと次の指定文献を併読して考えたことを書いてください。 

本田洋2007「韓国の地場産業と商品資源の構築――南原の木器生産の事例から」小川了編『資源人類学04 躍動する小生産物』pp.139-181, 弘文堂.

 指定文献の入手方法:(1) 学内図書館で複写,(2) 社会学研究室(本郷)のマスターコピーを複写,(3) 授業当日に配布予定のマスターコピーを複写。

【第5回講義】

○ 芸術と社会(小林真理)

社会において芸術はどのように存在してきたのか、そして市民社会の登場により、その経済的基盤、芸術制作のあり方はどのように変化したのかを考察する。

○ 日本における文化行政の生成(小林真理)

戦後の文化政策のパラダイム転換が起きた後、日本の社会で文化はどのように文化政策を取り扱ってきたか、とくに地方自治体の文化行政に注目をして考える。

指定文献

小林真理、片山泰輔編『アーツマネジメント概論三訂版』水曜社、2009

小林真理編『行政改革と文化創造のイニシアティブ』美学出版、2013


【第6回講義】

○ 社会のしくみと読み書き:図的表現について(中村雄祐)

現代の社会を構成する重要な要素である文書の使い方について,特に書面の図的表現に注目しつつ,いろんな時代,地域の文書の書面を眺めながら考える.認知的人工物,図的表現,普遍性と多様性,文書のサイクル.

 [参考文献]

中村雄祐 (2009) 『生きるための読み書き:発展途上国のリテラシー問題』(みすず書房)

ノーマン,ドナルド (1996[1993]) 『人を賢くする道具』(新曜社)

[参考サイト]
文化資源学の展望プロジェクト「文化資源学を支えるテクノロジー」 https://sites.google.com/site/bunteku2013/

指定文献

中村雄祐 (2015)デジタル・ネットワークと読み書きの行方」佐倉統編『人と「機械」をつなぐデザイン』(東京大学出版会)

【第7回講義】

○ データを読む:産業化(白波瀬佐和子)

本講の目的は、世の中の変化を社会学的にどう捉えるかを、具体的なデータとつき合わせながら議論することにある。産業化は社会変動論の枠組みから、社会学がこれまで取り組んできた代表的なトピックのひとつである。社会の開放性という観点から、産業化がどのように論じられてきたのかを示し、その分析視点が現代社会をみるうえにどう応用できるのかを探る。

○ データを読む:少子高齢化(白波瀬佐和子)

もうひとつの社会の変化として少子高齢化を取り上げる。少子高齢化は出生率の低下に代表される少子化の側面と、65歳以上人口割合の上昇と長寿化によって代表される高齢化の側面から成り立っている。人口動態に与える影響力は前者の要因が大きいものの、社会保障という公的制度との関係から後者の側面も無視できない。本講では、ひとの生き方というミクロな視点を加えて、少子高齢化の社会学的な見方を探る。

参考文献

荒牧草平『学歴の階層差はなぜうまれるか』勁草書房、2016

白波瀬佐和子『日本の不平等を考える』東京大学出版会、2009

湯浅誠『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』岩波新書、2008

吉川洋『人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長』中公新書、2016


【第8回講義】

○ 社会学の方法意識(佐藤健二)

 方法論と認識論の相互規定性、素材感覚の重要性、対象の構成と主体としての研究者の位相、社会学者のメチエ、質問紙による標準化調査、テクストの収集と分析、ライフヒストリーの聞き書きなど、社会学のさまざまな方法の可能性。

[参考文献]
ブルデュー『社会学者のメチエ』藤原書店、1994
プラマー『生活記録の社会学』光生館、1991
佐藤健二編『都市の解読力』勁草書房、1996

  ○ メディアと身体(佐藤健二)

 メディアとマス・メデイア、風景の論の展開における身体の重要性、マクルーハン、リースマン、オング、活字メデイアを事例とした身体メデイアとの重層的な関係、ことばの方法性、歴史社会学の問題設定、『明治大正史世相篇』の方法。

[参考文献]
マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』(竹内書店、1968;みすず書房、1986年)
リースマン『孤独な群衆』(みすず書房、1964年)
オング『声の文化と文字の文化』(藤原書店、1991年)

 指定文献

『社会調査史のリテラシー』(新曜社、2011年)のどれかの章

『ケータイ化する日本語』(大修館書店、2012年)のどれかの章

『論文の書きかた』(弘文堂、2014年)のどれかの章

『柳田国男の歴史社会学』(せりか書房、2015年)のどれかの章 

『浅草公園凌雲閣十二階』(弘文堂、2016年)のどれかの章

【第9回講義】

○ 世間から社会へ — 社会と福祉(1)(武川正吾)

 (1) 近代以前の「社会」

 (2) 会社としての社会

 (3) 訳語の模索:世間 vs. 社会

 (4) 訳語の定着:市民社会としての社会

○ 社会から福祉へ — 社会と福祉(2) (武川正吾)

 (1) 国家即ち社会

 (2) 「社会」の発見

 (3) 危険なものとしての社会

 (4) 厚生,福祉,社会的なもの

指定文献

武川正吾『福祉社会学の想像力』弘文堂,2012年. 


2017年度TAセミナースケジュール

TAセミナーについて──古典に学ぶ社会学研究の方法

1 概要
 本セミナーでは,社会学の古典的名著を購読する.講義は演習形式で行われ,各回の担当者が対象のテクストについて報告をしたあと,参加者全員で討論する.
 この形式は,専門課程へ進学した後に必修課目となる「社会学演習」と同様の形式であり,本セミナーはそれに向けての準備という性格も持っている.このため,文学部社会学専修課程への進学内定者には,本セミナーの受講が必修課目として義務付けられている.

2. 目的
 本年度の講読文献は,社会学の古典と呼ばれるスタンダードな文献を選定した.そのうえで,ただ漫然と文献を読むのではなく,それらの古典がどのような研究方法を用いているのかに着目し,社会学という学問の「ものの考え方」に触れることをセミナー全体の目標としている.

 下記に挙げているとおり,今回選定したテクストは,同じ「社会学」という括りで分類されている学術研究であるが,そこで展開される議論の背後にある「考え方」は多彩である.これはそれぞれの著者が「社会」をどのようなものとして捉えていたか,ということとも深く関係しているが,そのような学問的意義に踏み込まずとも,いずれのテクストもいまだ色あせない知的な驚きをもたらしてくれる.貪欲と結びつけられがちな資本主義を生み出したのはプロテスタントの禁欲であった(ウェーバー),きわめて個人的な事柄だと思われている自殺は実は社会的な事象である(デュルケーム).誤った噂が,結果的に現実となってしまうような現象はいかにして生じるのか(マートン).

 本セミナーで扱う文献は社会学の基礎を学ぶために適したものであり,学生諸氏にはぜひ文献を楽しみながら積極的な姿勢での参加を望みたい.

 今後,専門課程に進学した学生が卒業時に卒業論文を執筆し,社会学的な方法と発想で,自分の考えていることを説得的な論文に仕上げるためにはどうすればよいのかについて,本セミナーでの文献購読を通じて,学生ひとりひとりに考えを深めてもらうことが最終的な目的である.

3. テクスト
(1Weber, Max, 1905, Die protestantische Ethik und der "Geist" des Kapitalismus, Tübingen: J.C.B. Mohr (Archiv für Sozialwissenschaft und Sozialpolitik; Bd. 20-21) .(=1989, 大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫.)
(2Durkheim, Émile, 1912, Le suicide: étude de sociologie, Paris: Félix Alcan. (=1985, 宮島喬訳『自殺論』中公文庫.
(3) Merton, R. K., 1957, Social Theory and Social Structure, Free Press.(=1961, 森東吾・森好夫・金沢実・中島竜太郎訳『社会理論と社会構造』みすず書房.)

 
上記テクストは生協書籍部などを通じて各自で入手しておくこと(教科書販売所で販売予定).いずれも複数の版・翻訳が存在するため、購読の都合上、指定されたものを入手するように注意すること.


4. スケジュール
 今後のスケジュールは以下の通り.詳細は,929日(金)の社会学概論(イントロダクション)開講日に説明する.

1)セミナー初日は,10月16日(月).東京大学本郷キャンパス・法文2号館の1番大教室(正門を入って,右側2つ目の建物2階)に,16:50までに時間厳守で集まること.
2)授業日程は以下の通り.いずれも5限(16:50~18:35).
第1回 2017年10月16日 ガイダンス
第2回 2017年10月23日 『社会理論と社会構造』 Ⅱ章 Ⅲ章 XI章
第3回 2017年11月13日 『自殺論』前半
第4回 2017年11月27日 『自殺論』後半
第5回 2017年12月4日 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』前半
第6回 2017年12月11日 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』後半

※細かい分担に関してはガイダンス時に改めて指示する.

卒業研究

卒業論文提出についての注意

ダウンロード (PDFファイル)

卒論テンプレート

ダウンロード (Wordファイル)