第一部 日本社会と死生学の役割
- カール・ベッカー
次世代のための死生学教育ー理由、段階、内容
- 前川健一
一遍と熊野:熊野託宣の再検討
- 飯田篤司
《死生の学》の不可能性と可能性
- 古澤有峰
次世代の死生学とその射程:現在、過去および未来への展望として
第二部 死生学の新展開―8つのテーマ
(1)死生学の文化/表象
- 木村覚
喪の作業としての<パレルゴン>
- 黒岩三恵
『ジャン2世のビーブル・モラリゼ』における死生の表象
- 瀬尾文子
キリストの受難と死はいかにして美的な形象となり得るか
ー受難音楽における省察(Betrachtung,Erwagen)の考察、テレマン作品の分析を中心にー
- 嶋内博愛
キリスト教における死者および他界観の変遷
(2)いのちを考える
- 石田美岐
がん患者のための「いのち教育」
- 越門勝彦
フランスにおける臓器移植
- 真継和子
ケアー「生を支えあう」ということ
(3)宗教とスピリチュアリティ
- 朝倉友海
スピノザにおける人間精神の永遠性
- 林貴啓
<問い>のスピリチュアル教育のために
- 比留間亮平
ルネサンスにおけるスピリトゥス概念と生命論
- 鈴木健太
インド仏教僧団におけるターミナルケア
(4)いのち・関係性・ケア
- 有田恵
生涯発達心理学の視点から死を考える
- 伊野真一
家族の個人化と葬送の今後
- 新島典子
存在感が死生観に与える影響ーペット喪失事例の有用性
- 安田裕子
スピリチュアルケア(学)の構築への考察ースピリチュアルケア教育の課題
(5)日本における生命観の諸相
- 伊藤由希子
『日本霊異記』における死生学序説
- 栗原剛
佐藤一斎における「立志」と死生
- 佐藤知乃
曽我狂言と曽我祭ー芸能と鎮魂をめぐって
- ワルド・ライアン
近代におけるもう一つの浄土観ー村上専精について
(6)生/死と現代社会
- 金児恵
家族やペットとの死別経験が死観・宗教観・生命観に及ぼす影響
- 松本聡子
覚せい剤乱用青年における死生と処遇
- 仁平典宏
「いのちの教育」の臨界ー道徳への欲望と<出来事>の分有をめぐって
- 山本佳世子
今日の青少年の死生観と自殺観の関係ー自殺予防に向けて
(7)記憶と死生
- 福岡真紀
遺影をめぐる死生観ー乃木将軍夫妻の遺影
- 小寺智津子
国家形成期の葬送にみる玉類の副葬行為ー@弥生時代後期の丹後地域
- 佐々木慎吾
伝統をめぐる想起と忘却
- 杉木恒彦
カトマンドゥのヒンドゥー教ガイジャトラ(「牛の行列」)祭の現在
(8)哲学の視線をめぐって
- 秋山茂幸
性愛・自他・死生ー<エロスータナトス>思考
- 麻生享志
哲学による死の凝視ープラグマティズム哲学者の死生観
- 福島勲
ジョルジュ・バタイユにおける死ー反転する死、至高性とコミュニケーション
- 今村健一郎
近代ヨーロッパ哲学と生存権
- 瀧将之
ディルタイにおける「生の解釈学」
第三部 特別寄稿
- 義江彰夫
平安時代の人々の神仏への心
- 麻生享志
熊野信仰論ー死生学の観点から