講演会のお知らせ

日本医科大学の小林克典先生の講演を以下のように開催します。
ふるってご参加下さい。

日時:2011年2月3日 午後5時~6時半
場所:法文1号館3F 315教室

講師: 日本医科大学薬理学講座 小林克典
演題:「海馬の神経成熟と精神疾患」

内容:海馬歯状回は成体でも神経新生が継続する特殊な部位であり、抗うつ薬
の重要なターゲットと考えられている。我々は最近の研究によって抗うつ薬が
歯状回の成熟神経細胞を成熟前の状態に戻すことを発見した。この「神経脱成熟」
に伴ってシナプス可塑性等の生理学的性質が顕著に変化し、さらに、ケージ内活動の
不安定化等の行動異常が生じる。同様の歯状回の成熟異常は複数の遺伝子改変マウスでも見られ、
いずれの場合も精神疾患様の顕著な行動異常を伴う。
従って、歯状回の神経成熟の変化又は異常は、薬物誘発性の精神症状やある種の精神疾患に
共通した神経基盤となる可能性がある。