専門は、英語圏の哲学、特に19世紀後半から20世紀前半にかけてアメリカ合衆国で展開されたプラグマティズムと記号論、形而上学を中心とする思潮である。主として取り組む哲学者はパース、ジェイムズ、ホワイトヘッドであるが、彼らの経験主義的な形而上学の理解と探究に努め、そこに立脚しながら、それらの哲学史的意義の考察、現代の形而上学との接続、さらに、哲学的宇宙論の可能性を拓くことを試みている。また、パースの共同体論を出発点として、知識と社会との関係を問うことも課題としている。講義においては、経験論(経験主義)を中心とした近現代哲学がはらむ諸問題と可能性を考察する。演習においては、パース、ジェイムズ、ホワイトヘッドらの営為が、中世後期から近世・近代の哲学的伝統をいかに批判的に継承しているのか、また、それらが現代の哲学者たちの思考とどのような関係を結びうるのかを考察していく。
秋富克哉・安部浩・古荘真敬・森一郎編『続・ハイデガー読本』
法政大学出版局、2016 年 5 月(担当箇所:31「テイラー、ローティ、ブランダム 点と線、鏡、そして理由の空間へ」 pp. 296-304).
神崎繁・熊野純彦・鈴木泉編『西洋哲学史IV 「哲学の現代」への回り道』
講談社、2012 年(担当箇所:1「オッカムからヒュームへ」 pp. 35-111).
松永澄夫・高橋克也編『叢書 哲学への誘い 第3 巻 社会の中の哲学』
東信堂、2010 年(担当箇所:第4 章「知識基盤社会の構築における哲学の役割」pp. 168-207).
「パース 記号と現象 ―経験論から形而上学へ―」
池田喬、合田正人、志野好伸共編『異境の現象学 <現象学の異境的展開>の軌跡 2015-2017』、明治大学〈現象学の異境的展開〉プロジェクト発行、2018 年3 月、pp. 3-20.
「イノベーションの科学へ向けて ―人工物の存在論とアブダクション―」
日本感性工学会論文誌、Vol. 14 No. 3 特集「ファッションと設計」、2016 年9 月、pp. 581-587.
「リスク「0」と確率「1」のあいだ ―ヒューリスティックス、最小合理性、具体的合理性―」
哲学会編『哲学雑誌 情報とリスク ―ポスト3.11 の哲学―』第128 巻第800 号、有斐閣 、2013 年10 月、pp. 106-127.
「事物の枯死しない根 ―ノミナリズムとリアリズムの<あわい>―」
『別冊 水声通信 坂部恵 ―精神史の水脈を汲む―』、水声社 、2011 年6 月、pp. 85-100.
「日常的感性のゆらぎ ―あいまいな対象によってもたらされるもの―」
日本感性工学会感性哲学部会編『感性哲学9』、東信堂 、2009 年9 月、 pp. 39-57.
「世界の不確定性について」
四国学院大学文化学会『論集』第129 号、2009 年7 月、pp. 33-51.
「世界はなぜ、このように存在しているのか ―不確定性の形而上学―」
講談社選書出版部編『別冊「本」 RA T I O03』、講談社、2007 年5 月、pp. 428-470.
「根拠なく受け入れねばならない事実について」
哲学会編『哲学雑誌 レヴィナス ―ヘブライズムとヘレニズム―』第121 巻第793 号、有斐閣、2006 年9 月、pp. 139-159.
「日本型パブリックドメインの創出 ―公共圏の再構築と多様性の擁護を目指して―」
pp. II 7-II 10;『科学新聞』第3107号、2006年8月、第6面.
「行為における情報と人格の生成 ―科学的探求における価値の問題―」
四国学院大学文化学会『論集』第119 号、2006 年3 月、pp. 93-109.
「記号・生命・習慣」
日本記号学会編『記号学研究22 メディア・生命・文化』、東海大学出版会、2002 年3 月、pp.93-107.
「記号の不確定性について」
四国学院大学文化学会『論集』第98 号、1998 年12 月、pp. 59-72.
「<わたし>をめぐる記号過程」
四国学院大学文化学会『論集』第94 号、1997 年7 月、pp. 61-76.
「記号過程において我々が獲得するもの」
東京大学大学院人文社会系研究科哲学研究室『論集』第14 号、1996 年3月、pp. 60-72.
「パースの『存在の諸様相』について」
日本哲学会編『哲學』第46 号、法政大学出版局 、1995 年10 月、pp. 160-170.
「パースの実在論と習慣形成の理論 ―帰納的推論と自己制御―」
『論集』第13 号、東京大学文学部哲学研究室、1995年3 月、pp. 121-133
哲学会:理事(2019 年4 月~現在)
日本記号学会
日本哲学会
日本科学哲学会
Charles Sanders Peirce Society
ハイデガー・フォーラム(創設賛同人)
日本ホワイトヘッド・プロセス学会
日本感性工学会:理事・感性哲学部会会長(2014 年~2018 年7 月)、評議員(2018 年7 月~現在)
アメリカ哲学フォーラム:企画・運営委員(2014 年~現在)