研究室の風景
科研費・災害復興のための哲学構築シンポジウム

「あのときの、あれからの福島」

東日本大震災六年目を迎えて、改めて問題を再考し、「災害復興のための哲学構築」 という私どもの科研費主題の進展を図る、という趣旨で、シンポジウム「あのときの、あ れからの福島」を開催いたします。いまなお、さまざまな点で、福島の現状は、福島県外 で誤解されておりますので、被災地復興という視点から、東京にてこうした集会を行う必 要性が依然としてあると理解しています。実際、震災後も、熊本地震、鳥取地震と続き、 いつまた、日本のどこにおいても、災害発生可能性があり、放射線が関わる災害の可能 性も当然あります。そうした状況を踏まえ、近年最大の災害である東日本大震災そして 福島第一原発事故について、もう一度振り返り、現在進行形の被害や誤解の解決、そし て将来に向けての教訓を得ること、に関して、現地からの声も含めて、学術的かつ実効 的な形で、方向性を模索してまいりたいと思っています。以下の要領です。

日時:2017年3月18日(土)午後1時~
会場:東京大学文学部法文二号館一番大教室
各提題30分、各コメント15分、その後ダイアログ

導入
  1. 相川祐里奈・『避難弱者』の著者

    「あの時福島原発付近の介護施設で何があったのか」

    コメンテータ 桜井勝延・南相馬市長

    「避難を余儀なくされた介護施設」


  2. 安東量子・「福島エートス」の主催者

    「福島で暮らす/暮らせる、暮らさない/暮らせないということ」

    コメンテータ 早野龍五・東京大学理学部教授

    「測って、伝えて、袋小路。-どこで掛け違ったのだろう-」


  3. 眞並恭介・『牛と土』の著者

    「被災動物は何を語るか ~原発事故後の牛、犬、猫たち~」

    コメンテータ 一ノ瀬正樹・東京大学文学部教授

    「被災動物、そして動物倫理の暗闇」


  4. 後藤あや・福島県立医科大学教授

    「震災後の母子保健:エビデンスをつくり、伝え、使う重なり」

    コメンテータ 高村昇・長崎大学原爆後障害医療研究所教授

    「クライシスコミュニケーション~リスクコミュニケーションでの体験から」

ダイアログ
[入場自由・無料]

PDFプログラムポスター提題概要

オーガナイザー:一ノ瀬 正樹
東京大学大学院人文社会系研究科・哲学研究室
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Tel & Fax: +81-3-5841-3739
E-mail: doxa@ l.u-tokyo.ac.jp
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