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ニューズレター

第六 回宋代茶文化研究会
茶文化班主催




日時:2008年12月6日(土)14時~18時
会場:東京学芸大学講義棟N103教室
プログラム:
  司会: 佐藤 正光(さとう まさみつ、東京学芸大学教育学部教授、茶文化班)
  〔報告〕
            佐藤 正光
            西野 範子(にしの のりこ、大阪大学文学部非常勤講師)
           「ベトナムの茶文化」
  〔講演1〕
            鈴木 均(すずき ひとし、アジア経済研究所国際関係・紛争グループ長代理)
           「イランおよびアフガニスタンの茶―西アジアの茶文化―」
  〔講演2〕
            柳澤 明(やなぎさわ あきら、早稲田大学文学学術院教授)
           「内陸ユーラシアにおける茶の普及と露清貿易」
参加者:計20名(うち特定領域構成員5名)
 
  茶文化班の開催する宋代茶文化研究会は、通常は中国の茶文化をテーマとしているが、今回は特別企画として、ユー ラシア諸地域の喫茶文化について、専門家を招いて話をうかがい、中国茶文化研究に多角的な視野を与えることを目的とした。
   はじめの二名による連続報告は、ベトナム茶文化に関連するものであり、佐藤の報告は、今年の9月に参加した茶の湯文化学会第26回研究会での訪越の時の見 聞であ。モクチャウの茶畑を中心に、スライドを使用して説明を行った。西野は長年にわたり、ベトナムでの考古学的調査に携わってきた専門家であるが、今回 は、現代ベトナムの茶文化の概観の他、ベトナムの漢字文献の茶に関する資料を網羅し、ベトナムの茶文化の歴史について報告した。10世紀から18世紀の、 禅僧・文人の漢詩が紹介されたが、その使用する茶文化語彙(「石鼎」「茶煙」など)は中国の茶詩の影響が顕著であり、日本の五山文学と比較した場合、今後 の興味深い研究対象となろう。
   鈴木による講演「イランおよびアフガニスタンの茶」は、イスラムという、喫茶を否定も肯定もしない文化圏における、茶の導入と定着の具体的な報告である。 要旨は以下の通り。イランは乾燥気候のため、茶栽培には適さないが、飲料として茶の需要は大きい。現在茶栽培が行われているのは100年前にラーヒージャ ン周辺のみであり、一般にはインド茶の方が多く輸入され、価格も高い。喫茶はコーヒーに取って代わる形で導入され、17世紀に遡るといわれている。アフガ ニスタンに関しては、尾崎三雄が1940年代に行った市場調査(日本茶が五割を占める)が興味深く、当時の日本が西アジアに対して持っていた経済的な関心 の深さを示している。
   柳澤による講演「内陸ユーラシアにおける茶の普及と露清貿易」の要旨は以下の通り。内陸ユーラシアに茶が普及した歴史はさほど古くないが、17世紀に至る と、イラン宮廷とモンゴル遊牧民の間で、茶はかなり普及していた。ロシアでは、18世紀には、北京とのキャラバン貿易で貴重品として中国茶がもたらされた が、本格的な貿易は1728年にキャフタ貿易場が設置されてからである。当初はモンゴル人が緑茶、タタール人・ブハラ人が磚茶を消費していたとされるが、 19世紀には、ロシア社会でも茶が普及し、貿易の主力商品となった。トルキスタンへの茶の普及は不明な点が多いが、ブハラ商人が担った朝貢貿易に負うとこ ろが大きいものと思われる。 
(文責:高橋忠彦)
 
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