- 開催日:2007年7月21日(土)14時30分~17時30分
- 場所:九州大学西新(にしじん)プラザ
- 参加人数:計36名(うち特定領域構成員8名)
- 研究発表:静永健(九州大学大学院教授)
- 「中国から『竹取物語』を読むと……」
- 公開講演:佐々木睦(首都大学東京准教授)
- 「サブカルチャーと中国古典小説――『西遊記』を中心に」
- コーディネーター:勝山 稔(東北大学大学院准教授)
- 小説芸能班の第5回目の公開研究会公開講演会が7月21日九州大学の西新プラザで開催された。内容は九州大学の静永健氏(公開研究会)と首都大学東京の佐々木睦氏(公開講演会)の二本立てである。
- 最初の静永氏の発表は日本の古典である『竹取物語』を静永氏の専門である白楽天の研究の視点から考察したもので、『竹取物語』作品内に見える記述内容には白楽天の『白氏文集』のそれと著しく類似する箇所が幾つか認められるところから、少なくとも『竹取物語』の作者は作品創作のおりに『白氏文集』を愛読し参考にした可能性が高いことを実証的に分析したものである。
- 本発表は従来の国文学(日本文学)で論究が少なくない「日本古典における中国古典の受容」の中でも、従来に見られない『竹取物語』における『白氏文集』の影響を考察を試みたものであり、その新見について活発な議論が行われた。
- また次の佐々木氏の発表では、『西遊記』の図像学的見地からの考察と、現代の日本・中国(大陸)における『西遊記』を原拠とした映画・アニメ・ゲーム・漫画などの一連のサブカルチャーについての受容傾向を逐一分析したものである。佐々木氏は泉州開元寺における猴行者に関する調査・考察でも著名であるが、今回は潮州開元寺での猴行者を連想させる塑像の存在を言及し、また現在のサブカルチャーとしての『西遊記』については、広範な資料から、サブカルチャーとしての受容方法の類別を試みた。
- 会場は5班合同のワークショップということもあり、静永氏・佐々木氏いずれも40名近い方々が参加し、本小説芸能班の公開発表会の中でも最多の参加者を記録し、全国のまさに多士済々の出席者による様々な質疑応答が行われた。
- なお次回は『訓読』班との合同研究会とも関わりから明治大正期における訓読翻訳はどのような教育的インフラに支えられていたのかを当時の訓読教育用教科書の視点から考察する一方、大正期に社会的な動向として見られた「訓読翻訳から口語訳へ」という流れの中で、特に白話小説の口語訳化に大きな役割を果たした佐藤春夫について検討する予定である。
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(文責:勝山稔)
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