2015年12月20日、文学部フランス文学研究室の主催により、2008年ノーベル文学賞受賞者であるフランスの作家ル・クレジオ氏を迎えて、講演会「青春を書く、老年を書く」が開催されました。講演は中地義和教授との対談という形式で行われました。

表題どおり、ル・クレジオ氏の文学における「青春」および「老年」の意味をめぐって、さまざまな作品の実例に触れつつ、興味ぶかい話題が次々に展開されました。今回で東大を訪れるのは3度目ということもあってか、中地教授の問いに答えるル・クレジオ氏の表情は終始リラックスして明るく、話は少年時代の思い出、父母や兄、祖母や叔母たちの記憶にまで及び、作家の素顔に間近に接するような面白さに、満員の聴衆は魅了されました。

最新作『嵐』(邦訳・作品社刊)からの朗読をはさみ、さらには質疑応答を含めて約二時間にわたる充実した講演となりました。全体の模様は近々、東大TVにてネット上で公開される予定です。