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現代文芸論研究室は、2007年4月に発足した研究室です。

一国一言語の枠を超えて、欧米の近代を中心にしながらも世界の文学を広い現代的な観点から(日本文学も視野に入れて)研究することを目指していきます。日本文学を世界文学の文脈において研究しようとする外国からの留学生も歓迎します。

教員は、柳原孝敦教授(ラテンアメリカ文学、広域スペイン語圏文化研究)、阿部賢一准教授(中東欧文学、比較文学)、藤井光准教授(現代アメリカ文学・文化、現代英語圏文学)を専任とし、五月女颯助教(ジョージア文学、批評理論)も授業・学生指導に参加する他、阿部公彦教授(英米文学、現代日本文学)などの文学部の他研究室のスタッフが授業、研究指導に協力しています。また、専任がカバーしきれない近代語学近代文学の様々な側面を多彩な非常勤講師が担当し、学生の多様な研究上の関心に応えるようなカリキュラム編成をしています。

誤解のないように強調しておけば、「現代文芸論」という専修課程名はもっぱら<現代文学>を扱うということではなく、<現代的な観点からの>文学研究という意味であり、広く近現代文学全般が研究対象となります。

授業カリキュラムに関しては、他専門分野(欧米文学および日本文学)の授業をかなりの程度まで自由に履修できる柔軟な制度(認定科目制度)が大きな特色になっています。現代文芸論の学生は、3言語以上の分野にわたって授業を履修し、世界の文学に関する広い視野を養うことが求められます。

具体的には、以下の分野を積極的に扱います。

・翻訳論――その理論と実践
・批評理論
・世界文学へのアプローチ・欧米の一国一言語に限定されない視点からの文学研究全般
・越境文学論――亡命文学、クレオール文学、多言語と文学
・ラテンアメリカ文学、チェコ文学など既存の専修課程の枠に入らない言語文化
・欧米の言語文化をバックグラウンドとした近現代日本文学研究

現代文芸論は、文学部の伝統ある語学文学研究の堅固な土台を前提としながらも、文学研究の新しいあり方を開拓するために開設された専修課程です。ここで扱おうとしている学問は、また完全に形が固まっていない開かれたものと言ってもいいでしょう。意欲ある学生・院生の皆さんを迎え、ともに従来の枠組みを越えて開かれた可能性を探求していきたいと考えています。また、普段の授業以外にも、世界の作家や研究者を招いての講演会やシンポジウムなどを積極的に行っています。進学生の諸君は、ぜひ、目の前に開ける未踏の沃野に心奪われ、その開拓者となってください。