#019 小林 重文さん
ひねくれで世を渡る ―現代における「遅さ」の力―
「ひねくれている」ってどういうことだろう、ということを、中高生のときにずっと考えていました。「ひねくれている」を言い換えると「斜めから物事を見る」みたいになると思うんですけど、単に斜に構えている人にはなりたくないな、と。むしろ、斜めに見ている自分をもう一回斜めから見る人は、結果的に真っ直ぐになるのかもしれない。ただ反抗するのでは相手と同レベルになってしまう。世の中に合わせることと、世の中をはみ出すことは、排反するのではなく両立できるんじゃないか……そんなことを考えていた、青臭い時期でした。しかし青春時代に築いた価値観というのはおそろしいもので、気づけば今までずっと、その通りの生き方をしています。


















