科研費プロジェクト

科研費基盤B(2017年度~2020年度)

ヴェーダからポスト・ヴェーダの
宗教・文化の共通基盤と重層性の研究


 研究の目的  |  シンポジウム  |  成果物  |  メンバー  | 「 ブラフマニズムとヒンドゥイズム

研究の目的

古代インドにおいて、儀礼と社会規範を含むヴェーダの宗教体系が確立した後、 仏教やジャイナ教などの非正統派宗教の勃興と前後して、 ヴェーダの内部および周縁から、 新しいタイプの思想と儀礼をもつ宗教体系(ヒンドゥー教と総称) が形成されていきました。 ヴェーダから、非正統派宗教を含むポスト・ヴェーダへの流れの中で、 前者は後者へと移行・解消したのではなく、 両者は並存し、混淆し、時代を通じて互いに影響を与え合い、 現代に至っています。 本研究は、 ヴェーダとポスト・ヴェーダの宗教・文化の間の通時的および共時的な関係に焦点をあてて、 それらが共有する共通基盤と、 共通基盤の上に独自の新しい諸要素が層をなして重なる重層的な構造を解明することを目的としています。

成果物

2017年 (前年度の出版物を含みます)
梶原三恵子 2017. 「古代インドの結婚式における『水による花嫁の授与』の儀」 (英文・Giving the Bride to the Bridegroom with Water at the Ancient Indian Marriage Ritual) 『インド哲学仏教学研究』25号, 1-30.

手嶋英貴 2017. 「ケーララ州のヒンドゥー寺院司祭・タントリ ―その職務と家系、ヴェーダ伝承との関わり―」 『人文学報』(京都大学人文科学研究所紀要)110号、121-147.

藤井正人・手嶋英貴・梶原三恵子 2016 (印刷中). 「ケーララ州におけるブラーマン社会の現在」 『南アジア研究』28号.

 ・藤井正人(総論)
 ・藤井正人 「ヴェーダとナンブーディリ社会」
 ・手嶋英貴 「ケーララ州のヒンドゥー寺院司祭・タントリ ―その職務と家系、ヴェーダ伝承との関わり―」
 ・梶原三恵子 「家庭儀礼一覧『十六儀礼』からみるナンブーディリ社会の現在」

科研費プロジェクト・京大人文研共催 シンポジウム

「ヴェーダからポスト・ヴェーダの宗教・文化の共通基盤と重層性の研究」
 (京都大学人文科学研究所共同研究 「ブラフマニズムとヒンドゥイズム ― 南アジアの社会と宗教の連続性と非連続性 ― 」)

第4回シンポジウム 古代・中世インドの儀礼、制度、社会
2018年3月24日(土)・25日(日)
東京大学文学部法文1号館215教室

3月24日(土)
13:00開会

13:10-14:00 招待講演 高橋孝信(東京大学名誉教授)「古代南インドのバラモン」
後1~3世紀ごろの南インド(今日のタミルナードゥとケーララ州に相当)でのバラモンおよび関連する事柄を文献から探り、あわせて従来の研究の問題点を指摘する。

14:00-14:10 休憩

14:10-14:50 天野恭子(京都大学准教授)「ヴェーダ文献に見られる牝牛崇拝の萌芽」
古層のヴェーダ祭式解釈書は、社会的意義を持つシュラウタ祭式の権威でありながら、日常に密着した通俗的儀礼をも記述している。その中で、ヒンドゥイスムに連なる牝牛崇拝の記述を紹介したい。

14:50-15:30 西村直子(東北大学専門研究員)「古代インドにおける『息子の獲得』」
息子はなぜ、またどのようにして望まれたのか。輪廻思想の萌芽と展開の中で息子の誕生が持つ宗教的、社会的意義を、ヴェーダ及び仏典を中心に考察する。

15:30-16:10 大島智靖(東京大学特任研究員)「儀礼における『香』の利用」
インド諸宗教でこんにち一般的に用いられている線香や抹香などの香料やそれらを用いた所作は、ヴェーダ祭式におけるどのような土壌から生まれたのか。神話も検討しつつ、その展開を探る。

16:10-16:20 休憩

16:20-17:00 梶原三恵子(東京大学准教授)「入門儀礼と学習儀礼における衣について」
ヴェーダ入門・学習儀礼における重要アイテムのひとつに「衣」がある。纏う、替える、頭に巻くなど、場面ごとの衣の使用法という視点から、入門・学習儀礼の発達過程を考える。

17:00-17:40 高橋健二(京都大学博士課程)「『マハーバーラタ』における馬祀祭の位置づけについて」
古代インド叙事詩『マハーバーラタ』第14巻「馬祀祭の巻」における馬祀祭の位置づけを分析することで、第14巻の構成と成立の問題を検討する。

3月25日(日)
10:00-10:40 沼田一郎(東洋大学教授)「法典のアルタ的要素と実利論のダルマ的要素」
ダルマ文献のエポックである『マヌ法典』に見られる実利論との共通要素、カウティリヤ『実利論』の持つ法典的な内容および構造を示し、両者のダイナミックな影響関係を考察したい。

10:40-11:20 河﨑 豊(東京大学助教)「ジャイナ教文献に見られる葬送儀礼」
1世紀頃に著された断食死マニュアル『バガヴァティー・アーラーダナー』が記す葬送儀礼の次第を、他文献から回収される平行記述と比較しつつ紹介し,内容の異同を検討する。

11:20-12:00 横地優子(京都大学教授)「王権儀礼から見た仏教と女神信仰の共存 ―Tapa Sardar僧院遺跡をめぐって―」
Tapa Sardar (Gazni)僧院遺跡には、宝冠仏陀像と水牛を殺す女神像が向かい合っておかれている祠堂があり、この配置は8世紀後半に帰せられている。この両像の配置を手がかりに、
仏教と女神信仰各々の王権儀礼の併存について、北インドのハルシャの治世をも含んで検討する。

12:00-13:30 昼食

13:30-14:20 招待講演 井狩彌介(京都大学名誉教授)「ヴェーダ祭式『アグニチャヤナ』をめぐって」
ヴェーダ期シュラウタ祭式の究極点といわれる「アグニチャヤナ(火壇構築祭)」の諸側面を紹介し、その祭式過程の検討から浮かび上がる本祭式の成立意図を考える。

14:20-14:30 休憩
14:30-15:30 全体討論
15:30 閉会



第3回シンポジウム 古代・中世インドの神話、説話、表象
2017年10月7日(土)
京都大学人文科学研究所 本館4階 大会議室
  
10:00 開会
10:10-10:55 堂山 英次郎「古代インドの捨て子伝説をめぐって」
10:55-11:40 山田 智輝「ヴェーダ文献における河川について」
11:40-12:25 伊澤 敦子「神話における頭部の切断と再生について」
12:25-13:30 昼休憩
13:30-14:15 名和 隆乾「パーリ聖典におけるブラフマー神の諸相」
14:15-15:00 佐藤 直実「降魔成道と阿閦仏」
15:00-15:45 柴崎 麻穂「説話世界の転輪聖王 ― ブリハット・カター諸伝本の比較を通して」
15:45-16:30 井田 克征 「中世マハーラーシュトラのバクティ教団における出家者の実像」
16:30- 小休憩
16:40- ディスカッション
17:30 閉会



京都大学人文科学研究所共同研究(主宰:藤井正人)
「 ブラフマニズムとヒンドゥイズム
― 南アジアの社会と宗教の連続性と非連続性 ―

第2回シンポジウム
古代インドにおけるアセティシズムの諸相
―禁欲・苦行・出家―
 2017年3月25日(土)・26日(日)
 京都大学人文科学研究所 本館4階 大会議室
3月25日(土)
14:00 開会
14:10-15:00 梶原 三恵子 「聖典学習者と禁欲 ―brahmacārin 再考―」
15:00-15:50 藤井 正人 「社会に取り込まれた苦行 ―ヴァーナプラスタ(林住者)と山林苦行者―」
16:00-16:50 河崎 豊 「誰が出家するべきか ―白衣派ジャイナ教資料に見える議論をめぐって―」
16:50-17:40 八木 綾子 「ジャイナ古層聖典におけるsamjamaの意味について」
17:40-18:20 コメント、ディスカッション

3月25日(土)
10:00-10:50 大島智靖 「初期シヴァ教のディークシャーとヴェーダ」
10:50-11:40 横地優子 「パーシュパタ派のヨーガ」
11:40-12:20 コメント、ディスカッション
12:20 閉会

第1回シンポジウム
古代インド思想における「知」の深化「知」の拡大
  2016年10月8日(土) 午後2時から
  京都大学人文科学研究所 本館4階 大会議室
天野 恭子 「祭式を裏付ける「知識」を巡って―
 古ヴェーダ祭式文献における ya evam vidvaan / veda の使用法と哲学思想の発展―」
川村 悠人 「初期文法学派のダルマ論 ―ヴェーダ世界と日常世界における知行―」
手嶋 英貴 「ヴェーダとサーンキヤのあいだ ―マヌ法典の存在論をめぐって―」


京都大学人文科学研究所 共同研究
「ブラフマニズムとヒンドゥイズム
― 南アジアの社会と宗教の連続性と非連続性」
 京都市左京区吉田本町 京都大学 人文科学研究所 藤井正人
科研費基盤B 17H02268(2017年度~2020年度)
「ヴェーダからポスト・ヴェーダの宗教・文化の共通基盤と重層性の研究」

  研究代表者 
梶原三恵子
  研究分担者  藤井正人手嶋英貴
  連携研究者 吉水清孝、横地優子、河﨑豊  (2017年4月現在)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学 文学部・人文社会系研究科
インド語インド文学研究室 ( 地図 )

(C) Mieko Kajihara, Last Updated: October 24, 2017