日時:
3月27日(日) 13:00−17:00

主旨:
国連は2005年をミレニアム開発ゴールの一つである「持続可能な発展のための教育(Education for Sustainable Development)」10年の第1年目に位置づけており、市民の関心を喚起するために様々な企画を計画している。「持続可能な発展」という言葉は1992年のリオ宣言以来、一般市民にも広く浸透するようになった。しかしながら、過去10年間の国際社会の取り組み方を振り返ったとき、グローバルに「持続可能な社会」を実現するためには科学技術論や公共政策論だけではなく、倫理観や価値観をも含めて訴えかけなくてはならないと反省されるようになってきている。また、問題の焦点も「持続可能な発展」から「持続可能な社会」へと広がりを持つようになってきている。

持続可能な社会の実現にむけて倫理観や価値観について考えようとするとき、人間を共通善に向けて行動に向かわせるような倫理観や価値観は深い次元で宗教と関わってきていることに気付かざるを得ない。世界の宗教学者が集う国際宗教学宗教史学世界大会の折りに、国連大学と共催で「持続可能な社会」の実現に向けて諸宗教伝統から考える機会が本公開シンポジウムである。いわゆる「一神教的」文化の中から生まれた西洋近代科学を巧みに受容し先端科学技術を創造しつつ、経済的にも豊かな社会を生み出しながら、「多神教的」あるいは「東洋的」宗教の精神を今なお保持している日本において、多様な宗教的背景を担った長老たちから意見を聞くことは、これからますます重要になってくる「持続可能な社会」という課題をローカルにしかもグローバルに考える重要な機会となるであろう。

司会:
山折哲雄(国際日本文化研究センター所長) 

講演予定者:
稲盛和夫(京セラ株式会社取締役名誉会長・臨済宗僧侶) 
安井至(国連大学副学長) 
アンワール・ナシム(パキスタン国教育省高等顧問&COMSTECH顧問)
オーレン・リアンズ(ホデノショニ(イロクォイ)長老&国連環境計画先住民委員)

レスポンデント:
B・ポーニアトフスキー(国連大学学長室学術研究官)

(本シンポジウムは独立行政法人日本学術振興会「人文社会科学振興プロジェクト研究事業:千年持続学の確立」の支援を受けている)

参加応募の方法:
本シンポジウムは一般の方々にも公開されます。なお定員に限りがございますので、入場をご希望の際には、応募方法ならびに入場料等をご確認の上、ご連絡いただきたくお願いいたします。

※本シンポジウムは終了いたしました。多くの方のご応募、ありがとうございました。