是枝裕和監督プロフィール

是枝裕和 (これえだ ひろかず)

1962年、東京生まれ。87年に早稲田大学第一文学部文芸学科卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組を演出、現在に至る。95年に初監督した映画 『幻の光』 が第52回ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。以降 『ワンダフルライフ』 『ディスタンス』 と作品を発表。2003年の作品『誰も知らない』で主演した柳楽優弥がカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。現在、次回作映画『花よりもなほ』を準備中。




   映画紹介
『ワンダフルライフ』
この映画は、人が死んでから天国へたどりつくまでの7日間というファンタジックな設定の中で、"人にとって思い出とは何か?"という普遍的なテーマを描いた作品である。
「あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。いつを選びますか?」
その問いかけに人々は自分の人生を振り返り、悩み、後悔し、思い出に浸る…。この映画はそんな状況に置かれた死者たちとその選択を手助けする人々の物語である。

『ディスタンス』
カルト教団、真理の箱舟による無差別殺人事件は、100人を超える死者を出し、殺人を行った実行犯たちも又、教団の手によって殺された。それから3年。この物語の主人公である実行犯の遺族4人が、彼らの命日に殺害現場である湖へ向かう。
宗教を原因として犯罪を起こしてしまった人々と、犯罪に走らずに「正常な」日常生活にとどまった人々との心の距離をテーマとする、繊細で残酷な物語。生と死、喪失と再生、事実と虚構―そんな曖昧な境界線上にただよう人々の姿が描かれる。