大倉正之助
大倉流15世宗家故大倉長十郎の長男として生まれる。幼少より大鼓・小鼓の厳しい稽古を受け、過去類を見ない「大鼓ソリスト」として確立。至難の技とされる素打ちにこだわる。ローマ法皇より招聘されバチカン宮殿内のクリスマスコンサートにて演奏、ニューヨークメトロポリタン美術館での「オリベ2003inNY」、スイス・ダボスで行われた世界経済会議(東京ナイト)など世界各国の式典やイベントで演奏を披露。CMやラジオ、国内外のTV、雑誌、新聞などで広く紹介されている。

智山声明研究会 (ちさんしょうみょうけんきゅうかい)
1990年以来、大正大学の学生を中心に活動を続けてきた「観蔵院声明の会」を母体とし、2004年より「智山声明研究会」として幅広い活動を目指している。真言宗智山派に伝承される声明の伝統に基づき、声明の技術向上と研究を目的として研鑽を積んでいる。現在会員数は約八十名。昨年は『天台真言曼荼羅声明公演』や『9・11愛と希望のコンサート』等に出演するなど、他団体と積極的に共演している。今年一月、ドイツ(ベルリン)にて、比叡山延暦寺法儀音律研究部・東京楽所と共にコンサートを行い好評を博した。

大本山増上寺雅楽会
大本山増上寺雅楽会は昭和12年増上寺開山五百年遠忌に当り創設された。元祖法然上人御忌会(ぎょきえ)を中心とする諸行事に出仕するほか、平成15年9月にはロサンゼルス浄土宗別院にて「米国同時テロ事件犠牲者追悼公演」を行うなど、世界各国で精力的に公演活動を行っている。

大償神楽保存会
岩手県の最高峰早池峰山の麓、大償集落に伝わる山伏神楽は、1976年に国の無形民俗文化財第一号に指定された。大償には五十番ほどの舞が伝えられているが、神楽は「権現舞」で舞い納めるのを常とする。権現の獅子頭は日頃から神として崇敬され、しばしば祝いの場に招かれては、人々を祝福し、悪を払う。

和太鼓演奏グループ『幻創』
和太鼓演奏グループ『幻創』は、日本の民俗文化を今も濃厚に残す東北地方の宮
城県を本拠地としている。半田孝夫と南部聡子が渾身の力を振り絞って打つ和太鼓の響きは、単なるエンターテイメントの域を超えて、一種の宗教体験でもあるかのように、聞く者の魂を根底から揺さぶってやまない。それは、彼らが日本の山岳信仰史の中でも重要な霊山の一つである蔵王山麓の電灯もない深い谷間で、夏はやぶ蚊に刺され、冬は深い雪を掻き分けながら、毎日深夜まで稽古を積んでいるためだ。彼らが使う和太鼓は、すべて手作りであるが、とくに大太鼓は樹齢千年のケヤキを丹念にくり抜いたものである。ヨーロッパ演奏旅行の直後であるにもかかわらず、彼らがIAHRに駆けつけて、全身全霊で奏でる和太鼓の音は、いつまでもわれわれの心の中に鳴り響き続けるだろう。

ムハンマド・カドリ・ダラール氏
シリア国立アレッポ・アラブ音楽院院長。シリアを代表するウード奏者。1946年、シリア、アレッポ生まれ。アレッポの宗教的家系の出身であり、幼少からスーフィーの音楽に親しみ、西洋系音楽の基礎も習得、アレッポの世俗及びイスラーム系宗教音楽/歌謡に精通しており、演奏家でありかつこの分野ではシリアを代表する研究者でもある。1970年代から、シリアで音楽活動をする一方、アレッポの宗教系歌手サブリ・ムダッラルなどのウード奏者として世界各国で演奏。1988年にフランスで出したソロ演奏のレコードが仏シャルル・クロ賞を受賞。他にもフランス政府、シリア政府、各国音楽祭等から各種の賞を受賞している。2002年9月には、アンサンブル・オルニーナを率いて来日し、第二回アジア音楽祭(日本作曲家協会主催)において好評を博すとともに、音楽祭開催中にアレッポのアラブ音楽に関するレクチャーを行った。

是枝裕和(これえだ ひろかず)
1962年、東京生まれ。1987年に早稲田大学第一文学部文芸学科卒業後、テレビマンユニオンに参加。主にドキュメンタリー番組を演出、現在に至る。1995年に初監督した映画 『幻の光』 が第52回ヴェネツィア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞。以降 『ワンダフルライフ』『ディスタンス』 と作品を発表。2003年秋現在、4作目の監督作『誰も知らない』を製作中である。
http://www.kore-eda.com/profile.htm

『ワンダフルライフ』、13:00-15:15.(118分)
この映画は、人が死んでから天国へたどりつくまでの7日間というファンタジックな設定の中で、"人にとって思い出とは何か?"という普遍的なテーマを描いた作品である。「あなたの人生の中から大切な思い出をひとつだけ選んで下さい。いつを選びますか?」その問いかけに人々は自分の人生を振り返り、悩み、後悔し、思い出に浸る…。この映画はそんな状況に置かれた死者たちとその選択を手助けする人々の物語である。

『ディスタンス』、16:00-18:30.(132分)
自分の記憶を見つめ、そこから過去の意味を探ることを試みる作品。カルト教団、真理の箱舟による無差別殺人事件は、100人を超える死者を出し、殺人を行った実行犯たちも又、教団の手によって殺された。それから3年。この物語の主人公である実行犯の遺族4人が、殺害現場である湖へ向かい、そこで犯行直前まで実行犯たちと行動をともにしていた元信者に出会う。彼ら5人は、かつて信者たちが暮らしていたロッジで一夜を過ごし、その中で、今まで目を背けてきた[記憶]と、自分自身と否応なく向き合うことになるのだった。私たちは被害者なのだろうか、加害者なのだろうか。果たして私たちは何か確かなものを手にすることができたのだろうか……と。



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