文章表現Ⅱクラス  大学の国際化

大学の国際化はなぜ必要か、そして何をすべきか

 

社会心理学  チョン セレナ(中国)

 

現在、グローバル化が世界各地で進みつつある。その結果、国と国の関係も以前より緊密で、お互いに影響を与え、交流を深めている。大学は文化交流の機関の一つとして、異文化間の理解と交流の推進、世界観を持つ学生の育成、将来の社会を支えるリーダーの育成など、重要な役割を担っている。そうした役割を果たすための、第一歩はほかならぬ大学という場所の国際化であろう。海外大学との厳しい競争時代を迎えての大学の存続にも配慮すれば、日本の大学も世界に開かれなければならない。

では、大学の国際化を実行する際、特に東京大学の場合、やるべきことは何か。

まず、海外留学・研修を促すことである。海外留学・研修は、国際経験の取得をはじめ、学生や教職員の異文化理解、世界観の発達など、様々な利点がある。また、海外留学・研修経験がある学生や教職員は、大学の環境整備がまだ不十分な点、もしくは現行の教育課程における問題を見出す上で貴重な意見を提供することができる。そうした能力を大切にし、彼らの経験談や意見を聞いてまとめれば、大学の問題点を改善するきっかけになると思われる。しかしながら、日本の大学生と話して、最も驚いたのは、学生たちが海外留学に無関心なことである。ヨーロッパの学生と比べて明らかに違う。

こうした現象を解決するためには、学生や研究者たちの関心を喚起しなければならない。留学の利点をきちんと彼らに伝えれば、海外留学・研修の促進は必ずうまくいくだろう。学生や研究者が世界を移動するようになれば、大学自体としても同様に世界に向かって前進することになり、さらにキャンパスに国際的な雰囲気がひろがるだろう。だが、それだけでは十分ではない。大学の国際交流をより一層推進するためには、交流留学の協定締結校の数を増やさなければならない。そうすれば、世界各地から人材を集めることもでき、異文化間のコミュニケーションはよりしやすくなり、大学の管理層も大学の優劣を理解しながら優れた点を強化し、弱い点を改善することができると思われる。

次に、学位課程の指導言語を英語に変更することである。最近、電車で目にしたある英会話教室の広告の見出しが気になっている。「国際競争力って、半分くらい語学力だと思う」とか、「英語は、すべてじゃない。でも、少なくとも会議では言葉がすべてだ」などと書いてある。広告ではあるが、大袈裟な話ではなく、事実である。昔から現在まで、英語はいつも世界の共通語だと呼ばれ、世界各地からの人が集まる国際会議やビジネスの取引を行う際には、必ず英語が使われてきた。また、このグローバル時代の中で生きている私達は、文化背景と言語が異なる人たちに出会ったり、コミュニケーションをしたりする機会が多い。そういう人たちを十分に理解するために、英語力は不可欠だと思われる。

だが、日本の大学では、普通の授業の指導言語はほぼ日本語であり、日常的に英語を聞いたり話したりする機会があまりない。したがって、学生の英語力も徐々に低下し、話せなくなり、さらに英語を使う自信がなくなってしまう。

この問題を検討するために、ここで一つの例を挙げたい。香港の場合は、中国語の授業以外は、大学ですべての授業の指導言語は英語である。学生全員の英語力が優れているというわけではないが、授業で英語を聞いたり話したりする機会が多いため、彼らは英語で自分の考えを述べるのは怖がらず、あまり流暢ではなくても思い切って英語で他人とコミュニケーションをする。この例を持ち出したのは、授業の指導言語を英語に変更しても、日本の大学生の英語の使用に対する不安感も軽減できると思うからである。学生の英語力を短期間に向上させることは難しいだろうが、せめて英語を使う自信は取り戻すことができるだろう。英語で話す自信さえ持つことができれば、国際交流の出発点となるのではないだろうか。

このような国際化の改革をすれば、日本の最高学府、ひいては日本の国としての国際競争力を維持することができるのではないだろうか。