読解Ⅳクラス  いじめへのアドバイス

いじめている君へ

 

インド文学インド哲学仏教学  黄 嘉琦(中国)

 

他人の苦しむ様子を見て、君は本当に楽しいのだろうか。一時楽しんだとしても、その楽しさはどれほど続くだろうか。他人をいじめることによって、いったい何を手に入れることができるのか。君に答えを聞きたい。

われわれ人間は、すべての人が好きになれるわけでもなく、すべての人に好まれるわけでもない。だから、その人が自分とは違う、その人が気に入らないなどという理由で、人をいじめることは理屈には合わないと思う。

君は家族の問題などトラブルを抱えているかもしれないけど、他人を不幸にすることで自分のトラブルを消すことは決してできないよ。もし、いじめに苦しんだ子が自殺してしまったら、その子はもちろん悲惨だけど、加害者である君も一生悔みながら生きなければならないはずだ。人を傷つけるとき、自分自身も心のどこかで必ず傷つくのだから。そういうことを楽しめるとしたら、その人はもう人間とはいえない。

他人を苦しめるとき、確かに、その一瞬、自分が偉い感じがするかもしれない。でも、それはただの幻想だ。人間は他人を卑しめることによって、偉くなるものではないのだから。他人を感服させてこそ、本当の偉人と呼べるのだ。

いじめている君は、必ずしも悪い人間ではないかもしれない。でも、心のどこかが弱い人間だと思う。他人に暴力をふるったり、いじめたりすることは、たまたま我々人類の動物的本能が働いているためかもしれない。でも、必要なとき本能を抑制できてこそ人間と呼べるのじゃないかな。

自分が気に入らない人やものにも、もっと寛容になれれば、君の目に映る世界は一変すると思う。