読解Ⅱクラス  女性の生き方

日本と私の国の女性の生き方の違い

 

地域文化研究  宋 思(中国)

 

私が住んでいた中国の北京では、共働きが当たり前の社会なので、そもそも「夫は外、妻は家」という意識は薄かったように思える。それは経済的な原因にもよるだろうが、周りの普通の家庭では男性だけが仕事をする家庭は珍しかった。

 また、家庭での役割についても、母親が仕事をしながら家事も育児もするのが普通である。それによって、母親が家計、子供の教育全般に重要な役割を果たしているように見える。こうしてみると、中国の女性が背負っている責任は大きいと言えよう。

そのため、女性の自立心も高い。近年、都市の離婚率が非常に高くなり、私の中学校のクラスメートの家庭は約30パーセントが離婚した家庭だったが、それは女性の経済的な自立によるところも大きいのではないだろうか。そうはいっても、女性は職場で男性なみに働けているとは言えない。人事、サービス業などで働く女性は多いが、上層社会への女性の進出は未だに珍しい。また、中国では、女性が男性におごってもらうことや、男性が重い荷物を持つのを当然だとする傾向がある。考えてみれば、これも女性が一方的に男性に甘えているように見えて、実は一種の男女差別ではないかと思った。

 そういった環境で生まれ育った私は、あまり男女の役割、女性の生き方などを意識しないまま、自分も学校を卒業したら当然仕事をするのだと思っていた。

 日本語を勉強して日本のことを知るようになり、全力で家族を支えることも女性の生き方という価値観は印象に残った。家族を第一にして家庭を守る、それも女性としての素敵な生き方じゃないかと思うようになった。日本の女性は育児をとても大切に思っているようで、「絶対子供に寂しい思いをさせてはいけない」、「子供が小学校に行く前に専業主婦になる」などの考えもあるようだが、一方、中国では、母親は仕事しやすいように、両親に子供の世話をみてもらうような場合がかなり多い。こうやってバランスを取っている家庭が多いだろうが、今考えれば、それも大人の都合で、母親を一番必要とする子供に寂しい思いをさせているのではないか、とも思える。

だが、働く女性が持つ経済的な自立と精神的な自由も、とても貴重なものだと考える。どのような生き方がいいのかは言えないが、日中の女性の生き方はこうしたところに差があると私は感じる。