文章表現Ⅲクラス  日本的感性

「日本的感性」の現代的価値

 

美術史学  朴 晟希(韓国)

 

 前から考えている結婚相手の条件の中で、「笑うポイントの一致」というものがある。これは言い換えれば、自分の感情に共感できる人と結婚したいということだと思う。今回の資料を読んで、このようなことを思い出したのは、「感性」というものには「反響」という概念が最も大事だと、私は思ったからである。

 『日本的感性』で著者、佐々木健一氏は、感性とは、「世界の状況やそこにある対象の性質を知覚しつつ、わたしのなかでその反響を聴くはたらき」であると述べている。近年に至っては、氏のように西洋と日本を比較する書き方は古いものであると思われる。しかし、和歌などの例を提示し、日本人の感性を論じた彼の方法には、確かに共感できる部分が多くあった。それならば、そのような諸国それぞれの感性の根拠は何であろうか。

 今学期の日本語教室で、「5・7・5のリズム」という授業を受けたことがある。いわば俳句の句を作る練習をしてみる企画であった。私はそのような日本人のリズムを体感することが難しくて苦労した。日本人の知人に聞いたら、これは日本人にはとても自然なリズムであるということで、日本的感性を理解するのは難しいと思った。

 私はそのような独特の感性の差は、人それぞれが育っていく過程で囲まれていた社会の文化的基盤、つまり、おとなになるまで受けた教育から出来上がるものであると思う。韓国人の私には、なんとなく「興」に乗ってしまう韓国人のリズムというのもがあるからだ。

 感性というものは、かたちの見えない、具体的にことばでは説明できないものである。だが、我々はある対象に対して「感ずる」ことによって、世界とつながってゆく。いかに時代が変わっても、そのような人間の、世界とのつながり方は変わらないはずであろう。

 それに加えて、私は今の時代だから、つまりグローバルな時代になったからこそ、その「日本的感性」を保つことがより大切になるのではないかと思う。これは勿論、韓国を含む世界の各国民に該当することでもある。各国の人々の様々な感覚、世に向かう個性というものが結局のところ、今の時代を多彩に彩る貴重な財産になると思う。これが私が考える「日本的感性」の現代的価値なのである。