口頭表現Bクラス  賛否を述べる

鉄道はブラジルの将来の輸送機関に成り得るか

 

文化経営学  ペルシチ マルコス(ブラジル)

 

最近ブラジルで道路を増やすか鉄道を整備するかというホットな話題が起こっています。実はブラジルでは60年代まで電車で旅行することが可能だったのですが、その後政府が全面的に道路の整備に力を入れ、バスや車などの交通機関が電車より一般的になり、70年代には遠くまで行く旅客車は無くなりました。もちろん飛行機はありますが、運賃がバスよりずっと高いので、ふつうはバスか車で移動します。

ある学者の説明によれば、ブラジルはアメリカの影響を受け、早くから車社会となり、鉄道というものに力を入れずに、道路に膨大な予算をかけて現在の高速道路構造を作ったということです。しかし60年代に作られた道路はすでにだいぶ古くなり、しかも車、バス、トラックの数は以前の約10倍にまで増加したので、道路や高速道路が足りなくなってきました。

鉄道は客車を減らすとともに貨物車も減らしたため、トラックの数が激増し、トラックを含む事故がかなり前から増えています。その結果、トラックと客の乗ったバスが衝突し、その全員が死亡するという事故も急増しています。こうした状況から、現在話題になっているのが「電車」の復活です。

2年後にはブラジルでワールドカップが行われるので、今が輸送構造を変えるよい機会となるという考え方が政界にも国民にも広まってきています。しかし、具体的にはまだ何も決定していません。むしろ全国には、各州が運送会社の税を減税したり、車を安くする政策を取ったりしているので、電車を復活させても公共輸送サービスの改善は難しいと思われます。それに加えて、ブラジル人の「車を愛する」性格が状況を悪化させています。

ですから、現在、電車と鉄道を増やすという話が話題になっていても、これからどうなるかはわかりません。私は電車を増やすことに賛成ですし、ブラジル国民の中にも賛成の人が多いようですが、政府が国民の要望に応えるとは予想しにくいです。ブラジルはこれまで長く車に依存してきたため、それを変えるのは難しいと思われます。