読解Ⅱ・読解Ⅳ・文章表現Ⅱクラス共通課題   原子力発電への賛否  

原子力発電所:過去と将来

 

韓国朝鮮歴史文化  パベル・スミルノフ(ロシア

 

原子力発電所とは核燃料になるウランやプルトニウムを崩壊させながら電力を発電

するところである。電力の材料として利用されている石炭や石油などに比べ、核燃料

の崩壊の過程で地球温暖化の原因となる廃棄ガスを排出しないため、膨大な量の燃

えかすを処分する必要がない。原発は一年間数百グラムの核燃料を使用するだけで

膨大な電力を供給することができるため、大変便利なものである。国土が狭く、資源

に限りのある国にとっては原発こそ電力不足の問題を解決するための鍵となると私

は思う。

  原発の歴史は1954626日にさかのぼる。世界で最初の原発(オブニンスカヤ原

子力発電所)がソ連で運転され始めた。その後、1958年、1964年、1973年と、次々に

発電所が建設され運転が開始された。ソ連以外の国は原発の運転に後れをとったも

のの、1956年にイギリス、1957年に米国でそれぞれの原発が運転された。

 1979年、スリーマイル島の原子力発電所で事故が起きたが、この事故の原因は工学

的に原子炉に問題があり、原子炉の停止に対する従業員の緊急対策が不十分であっ

たためと考えられる。ソ連では32年間事故がなく原発が運転されていたが、1986年に

チェルノブイリ原子力発電所で実験による事故が起きた。つまり、チェルノブイリ原発

自体は安全であったにもかかわらず、未熟な従業員が原子炉や炉心などの施設で実

験した結果、原子炉が爆発したのである。この二つの事故は原発を運転していた従業

員の過失が事故を引き起こしたものである。

 日本では2011311日は数十メートルの津波が福島第一原子力発電所の堤防を

簡単に越えて装置を破壊し、原子炉へ電力を送電する設備も破壊された。炉心を冷や

すことができず、量の増した水素が爆発したために、原子炉の核燃料が蒸気として外

へ出てしまったのである。

 これまで世界の国々でこのような原発事故による被害があったが、私たちは温暖化

防止対策をする過程で環境に影響を及ぼさない発電手段を工夫し、今もそれが継続

されているのである。私の考えでは、原発はエネルギーの問題がある国、あるいは水

力発電所自体が導入できない国にとって唯一の解決策になると思う。具体的に言うと、

韓国と日本の場合は、中国がロシアから電力を輸入するように、隣国から電力をその

まま買うことができないが、他国から輸入した石炭や石油によって、発電できる。しか

し、国土が狭く、人口密度が高いために、発電所の廃棄物や排出ガスが人々の健康

だけではなく、農業や環境に致命的な悪影響を与える。そう考えると、原発は韓国や日

本の国民と環境の条件に適していると思われる。

 ただし、日本の場合は地震など頻繁に起きる天災に備える対策が何より重要だと思

う。福島第一原子力発電所の事故は、地震と津波によって大きな被害を受けた。それ

は、津波の堤防の設計者が津波による被害を軽視し、原発の管理者は安全対策が

不十分だったためだと思う。防波堤の設計者が地震でおこるだろう最大の津波を計算

に入れ、それを防げる堤防を作っていれば、311日の原発事故は起こらなかっただ

ろう。私が日本の総理大臣であれば、全国の原発に対して、予想しうる地震や津波の

対策を実施しただろう。

 もう一つの重要な点は、原発を運営する企業のあり方である。企業家の考え方は最

小の経費で最大の利益を得ることである。それ故に、福島第一原子力発電所では天

災に対する安全措置が十分な費用が投資されず不十分なものとなった。原子力に関

わる分野が国営のものであるロシアをはじめ、中国、インド、フランスでは、利益より原

発の安全性とそれに関する安全措置について研究し、そのための費用を惜しまない。

しかし、日本では福島第一原子力発電所の事故後も、日本全国の原発の安全性を再

確認し、安全性を強化したとの情報は聞いていない。もし日本政府が原子力の分野を

国営化させれば、国民が安心できる原発を実現できるのではないか。