読解Ⅱ・読解Ⅳ・文章表現Ⅱクラス共通課題   原子力発電への賛否  

原子力発電は本当に必要なのか

 

中国語中国文学  徐 暁紅(中国)

 

3.11大震災が発生して以来、日本の原子力発電事業は一時的に停滞気味である。

しかし、
震災の復興が一段落すると、また原子力発電のメリットを唱える論者も出てき

た。現在、日
本では原子力発電が全面停止したわけではない。将来の原子力発電事

業に対しては賛否両論
である。私は原子力発電に対しては反対である。私は一留学

生であり、自らの声が微かなも
のであると知ってはいるが、反対の理由を述べてみた

い。 

 まず、アジアで日本がリーダーシップを発揮するためには、原子力発電はマイナス要

素で
ある。原子力発電に依存しなくても日本が経済大国であるというイメージに変わり

はない。
欧米の先進国と並ぶ日本には、科学開発などの先端領域での良好な環境、

条件が揃っている。
特に、技術開発、環境保護などの先端分野におけるノウハウを持

ち、創意性が高く、アジア
諸国の中で最も競争力がある国である。今後も、日本が引

き続きこの領域においてリーダー
シップを発揮し、アジア諸国の経済成長及び政治安

定に大きな役割を果たすことが期待でき
る。このようなイメージを損なわないよう、原子

力発電はなくすべきである。海外進出に際
しても、日本だけの利益を考えるのではな

く、周辺の諸国とともに経済発展を実現するよう
努めれば、将来これらの発展途上国

も日本の市場になると信じる。 

 次に、地震大国でもある日本には原子力発電は不向きである。地理上から見れば、

日本が
地震大国であることはあきらかだ。専門家によれば、地下のプレートに活発な

動きが見られ
る現在、何時また巨大地震が発生してもおかしくはない。原子炉の付近

で再び地震が発生す
る可能性も十分に考えられる。昨年の3.11大震災はその教訓で

ある。地震対策がまだ万全だ
とは言えない現在、事故が起こった場合の放射能汚染

を除去するエネルギー、資金、精力を、
防震対策と震災復興に使うほうが賢明であろ

う。

 最後に、地球温暖化がますます進むなか、まず被災国日本が全世界の人々に節電

を呼び掛
けるべきである。原子力発電がなぜ必要とされるかと言えば、電気の供給不

足と経済利益の
追求のためであろう。昔は火を使って照明し、食べ物も調理するとい

う不便な時代だったが、
電気が発明され、人間たちの欲望も高まった。現代は、電気

の利便性が発揮され、過剰に消
費される傾向にある。3.11以後の節電キャンペーン

の実績を見れば、我々は確かに無駄な電
気を消費していたということが分かる。一人

ひとりが節電の心がけを持続していけば、電気
の消費量が抑えられ、原子力発電に

依存せずに、太陽光発電や、風力、水力発電などで十分
な電気供給が実現できるの

ではないか。このような認識が日本だけではなく、全世界に普及
していくと、電気の消

費量を抑え、環境問題への改善、地球温暖化の解消などの切実な問題
の解決にもつ

ながるだろう。

 以上は日本の原発についての意見だが、実は最近、中国でも原発問題が話題に上

っている。
海陽原子力発電所の建設をめぐって、ネット上で熱い議論が繰り広げられて

いる。発電所の
建設は、現地の労働力を有効に利用し、経済活性化をもたらすメリット

も挙げられるが、将
来、原子力発電によって発生する汚染物質が農産物に悪影響を

与える可能性も十分ある。海
陽を含む山東半島は、野菜の生産量が全国の18.6%を

占め、野菜の輸出量も全国の輸出総額
36%を占めている。さらに、にんにく、葱の

日本への輸出量は全国で三分の一強も占めて
いる。原子力発電によって発生した放

射能の被害が農作物に及べば、中国で安心して消費で
きなくなるだけではなく、日本

への輸出も停止せざるを得なくなる。それによって、日本国
内の野菜販売価格の高

騰が生じ、日本国民にも直接影響を与えるだろう。すなわち、原子力
電の問題は一

国の問題にとどまらない。

以上に述べたような理由から、私は原子力発電を支持できない。人々が過ごしやす

い社会
環境をつくることが何よりも重要である。