読解Ⅱ・読解Ⅳ・文章表現Ⅱクラス共通課題   原子力発電への賛否  

原子力と日本

 

文化経営学  マルコス・ペルシチ(ブラジル)

 

 3月11日に起こった東日本大震災は、東北の多くの人々の生命を奪っただけでなく、

全国
の人に命や生活の基盤を失う恐れを抱かせた。それは地震の影響で起こった福

島第一原子力
発電所の事故のためである。311日の震災は、人間は自然を完全に

支配することは不可能
であり、人間は自然の中でこそ生きられるのだということを、さ

まざまな側面から証明した。
原子核もまた自然界に存在するものであり、その力も自然

と同じように尊重せねばならない。

福島はもちろん、関東地方の茨城、首都東京でも放射線を浴びせられた人々は原

子力発電
に強く反対しはじめた。福島県のある人は東京の生活を支える電力のため

に住む場所を失わ
ざるを得なかった。またある人は現在にいたっても放射線を浴びて

いる。
原発に賛成か反対かとう議論がなされているのである。

これに答える前に何について考えるべきだろうか。反対の意見を持つ人が多いが、

そもそ
も原発に反対することはどういう意味を持つのだろうか。現在の生活様式は多

くの電力に依
存して成り立っている。したがって、原子力発電に反対する意志を持つな

ら、現在の生活様
式を変える意志を持つべきであろう。たとえば、2011年に始めた節

電は一時的なことではな
く、日常生活で当然のこととして受け入れなければ、原発に

反対する意味はない。我々は毎
日、小さなことから大きなことまである程度原発のおか

げである豊富な電力に依存している。
原発に反対するためには、まずひとりひとりがさ

まざまな習慣を変えることが重要である。

稼動しだすとほとんど際限なく電力を生み出す原子炉は、同時に無限の危険さも持

ち合わ
せている。だからこそ、私たちは生活のどこまで原発に頼ってよいのかを考え

るべきだ。問
題を解決するためには、まず毎日の生活がどのように電力および原子力

発電と関係している
かを理解することが重要である。そこから新たな道を提示すること

が可能になるのではない
だろうか。

日本の国土と日本人の生活は深く関係している。日本人はこの国土を守るため、日

本の特
徴である精神の力や優れた技術を用いて、原発の代わりに使える日本にふさ

わしい電力づく
りの方法を考え出せるのではないだろうか。それは今すぐに原発をや

めることを意味するの
ではなく、将来に向け、いつか原子力発電から脱することを達

成するためである。

目に見えない放射線という敵は、空気、水、土のどこにでもたまるため、福島第一原

発の
周りはこれから何年も危険な状態であり続けるかもしれない。今回の震災で起こ

った事故を
よりよく理解した上で、全国の原発を見直すことが重要である。次に地震や

津波などの自然
災害が起こった際に同じ問題が発生する可能性を少しでも減らすこと

を目指すべきである。
放射線は本当に危険なものであるから、皆こわがっているが、

そのようなレベルを超えて原
発を見直すことが必要である。

また、それだけでなく、福島県の多くの人々を支えることにも力を入れることが望まし

い。
それができてこそ、原発の議論が生きてくるのである。