口頭表現Bクラス  専門に関連のあるテーマによるスピーチ

おかゆパン

 

農学生命科学  蔡 佳瓴(台湾)

 

日本の食料自給率は低いと言われています。世界の食料自給率を見てみる

と、
1位はオーストラリア、ついでカナダ、フランス、アメリカとなっており、

それらが
100%を超えているのに対して、日本は40%でしかありません。その数

値は先進国の中でもっとも低いものです。す
なわち、日本人が食べているもの

の半分以上は海外から輸入されているのです。主食の
は自給できますが、米

以外の穀物、例えば小麦・大豆・トウモロコシはほぼ海外からの輸入に頼っ


いるようです。これでは、深刻な問題を引き起こすおそれがあります。 

自給率が低いのはなぜでしょうか。地理的、気候的な条件もあるのですが、

その要因の一つ
に、食生活の変化も影響しています。戦後、「アメリカ小麦戦

略」の影響もあって、日本人は伝
統食を捨てて欧米式の食文化を取り入れるよ

うになり、外食化もともなって、食生活が大きく
変わりました。現在、日本で

はパン食が増え、ごはんを食べる量が大きく減る一方で、肉類や
油脂類の消費

が増えてきています。ほとんどの日本人がお米を主食として食べていますが、

の消費量は減少し続けているようです。昔と比べたら、半分くらいの量に減

ってしまいました。


 では、どうすればお米をもっと食べてもらえるのでしょうか。食料自給率を

向上させる点から
も、お米の新しい食べ方として、「米粉パン」が今とても注

目されています。米粉パンとは、お
米を粉砕し、その「粉」を材料にして作る

パンです。すなわち、原料に小麦粉ではなく米粉を
用いて製造されたパンのこと

です。

しかし、米粉パンの問題点は、粉砕の工程が必要なため、小麦粉パンより製

造コストが高い
ことです。また、米粉パンはふくらみも小さく、白い部分も普

通のパンより硬いのです。なぜ
なら、小麦粉とは異なり、米のタンパク質はグ

ルテンネットワークを作らず、生地のつながり
が弱いからです。

米粉パン以外の他の方法で米パンを作ることはできないのでしょうか。私の

研究は、米粉の
代わりに、「糊化させた」おかゆ状態の米を原料としてパンを

作れないかというものです。糊化
とは、でんぷんに水と熱を加えて、のりにす

ることです。おかゆは日本では風邪などで体の調
子が悪いときに、食べること

が多いですが、中国、台湾、韓国、マレーシアなどアジアの国で
は、日常よく

食べられています。ヨーロッパやアフリカでも、おかゆを食べることがあるよ

です。

おかゆは、お米と4倍量の水で炊飯器の「おかゆモード」で炊くと、簡単に

できます。私の
研究は、小麦粉パン、米粉パン、おかゆパン、それぞれの3種

類のパンを作って、焼きあがっ
たパンの品質を評価しています。例えばパンロ

ーフの容積比、みみの色、そして白い部分のテ
クスチャーなどを計測しました。

また、おかゆパンの製造条件、どのぐらいパン材料の中に入
れるか、生地のミ

キシングの時間や、加水量なども調べました。

 おかゆパンは、粉砕しなくてもできるので、製造コストが抑えられます。ま

た、研究の結果、
おかゆパンはとても膨らんでいて、柔らかい食感を保つこと

がわかりました。ですから、将来、
食生活の多様性と食料自給率の向上を図る

ために、食品企業におけるおかゆパンの普及が期待
されます。

以上で私の研究紹介を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

参考資料:米粉パンの起源: http://www.glico.co.jp/eishoku/komeko/index.htm

三洋電機のGOPAN(お米から、米粉パンを作るマシン):                         http://jp.sanyo.com/gopan/

      MK
のホームベーカリー(米粉/ご飯から、米粉パン/ご飯パンを作るマシン):                http://www.mkseiko.co.jp/seikatu/hb/index.htm