文章表現Ⅲクラス  日本の「オバサン」
 

『「オバサン」はなぜ嫌われるか』を読んで

 

アジア史  蔡 秀美(台湾)

 

田中ひかる氏著『「オバサン」はなぜ嫌われるか』を読んだ。田中氏が女性の年齢を

通じて、現代社会における女性の生きにくさを探究したことが本書で明らかになってい

る。私が興味深いのは、男女を問わず社会の一般人が男性と女性の年齢に対して共

通の評価を持っていることだ。

例えば、女性は花の如くであり、男性が樹の如くであるという説がある。女性は年齢

に従って「立花」、「見花」、「萎れ花」と呼ばれるのに対して、男性は「新木」から「古木」

になると認められる。明らかに、「萎れ花」より「古木」のほうが好意的な呼び方である。

このような評価を持っている者は、男性だけではなく、同じ女性にもかなりいる。田中氏

の指摘した通りに、「女性は若いほうがいいという認識は、女性たち自身にも内面化さ

れているのだ」ということになる。

歴史的に見ると、女権の拡張は二十世紀から発展し、とりわけ第二次世界大戦が

終焉してから長足の進展を遂げたことになっている。参政権をはじめいろいろな法律

的な権利において、女性は男性とほぼ同じだが、実生活面では必ずしもそうとは限

らない。つまり、現在に至っても差別待遇にあっている女性が少なくない。

そもそも男性と女性は生れた時から身体的に違いがある。そういう意味で、男性と

女性が同一的に取り扱われることは無理である。しかし、これを前提として、現代女性

が女権の向上を求めるために、男性と激しく戦い合うことは、唯一無二の策とは思え

ない。むしろ、女性自身の自分自身に対する見方の転換に重点を置いたほうがいいの

ではないか。近年来、三十歳か四十歳を超えた女性を主人公にしたドラマが人気にな

って、昔「萎れ花」と呼ばれた女性は改めて自分の生き方を考えさせられている。

近いうちに、若くても老いてもいいし、どの人生段階においてもそれぞれの年齢にふ

さわしい美しさを持っているという認識を身に付けて、そして更に内面化している女性

が多くなると、私は信じている。