日本事情クラス  教育における社会問題
 

の百年の大計

 

社会学  金 璨秀(韓国)

 

教育は「国家の百年の大計」という言葉がある。これは、それほど教育が重

要なものだということを示している表現である。それでは、なぜ教育が重要な

のか。それは、教育こそが生物学的な意味で「動物」にすぎない「人」を、社

会という一つの世界を生きていく「社会的動物」としての「人間」に育てるシ

ステムだからなのである。それゆえ、今日教育をめぐるさまざまな問題を解決

することが、他の何よりも重要なのだ。


 今、教育において最も問題視されているのは、いわゆる「学歴社会」の問題で

ある。学歴社会の問題は、一見教育そのものの問題ではなく、皮肉にも社会全

般の問題のように見えるかもしれない。しかし、学歴社会の問題こそ、すべて

の教育問題の根源だと思われる。なぜなら、公教育の役割不在や教育機会の不

平等から学級崩壊に至るまで、教育問題と呼べるすべての問題が学歴社会に起

因しているからである。


 そもそも「学歴」は、ある人の社会的能力を全て示しているものではないだろ

う。しかしながら、今のところ「学歴がまさしく能力である」という公式が成

り立っているのだ。それで学校は単なる学歴の養成所となり、教育は単に学習

の習熟度を高める道具として認識されるようになってしまっている。


 それでは、このような問題を解決するためにはどうするべきであろうか。先に

も述べたようにその第一歩は当然学歴社会の打破にある。そのため、まず「学

歴」のみならず、ある人が持っている「特性と特技」を社会的に認め、その「

個性的能力」に対して正当な社会的対価をより多く支払う必要がある。それに

より「学歴がなくても能力が認めてもらえる」という考え方が広がり、次第に

学歴社会と教育問題を解決する足がかりになってゆくだろうと思われる。