日本事情クラス  教育における社会問題
 

フランスにおける教育問題

 

日本語日本文学  フランソワ・グシュエンド(フランス)

 

 本稿では、近年フランスに出現した教育の問題について述べたいと思う。

 子供の時は、覚えが極めていいので、毎日沢山の事を習っても、容易に覚え

られる。それで、子供の時にいい教育を受けるのが大切であると言われる。

  しかしながら、フランス政府は十年程前から数多くの経済的な「改革」を

進めており、その対象の一つが教育となってしまった。教育の「改革」という

名目で、退職した教師のかわりに新しい教師を補充することをやめてしまった

が、これは最もひどい「改革」だと言っても過言ではない。そのために、クラ

スの人数が徐々に増え始めて、今では
30人以上のクラスも珍しくなくなってき

たのである。このような状況では、教師は生徒達にいい教育環境を与えられな

くなったり、生徒の世話がよくできなくなったりしてしまう。

 もう一つは、フランス語の読み書きが非常に複雑だということに関する問題

である。フランス語が書けるようになるためには、小学校の時からほとんど毎

日書き取りをしなくてはならない。以前は、アルファベットのそれぞれの文字

を習ってから、教科書を使って新しい言葉を勉強するというやり方であった。

子供たちはそうやってフランス語が自然に読めるようになったのである。

 しかしながら、フランス政府の思考能力のないリーダーたちは、その教え方

はあまり有効ではないと考え、突然他の教科書と教え方に変更してしまった。

現在の子供たちは、アルファベットも習わず、いきなりカメラのように新しい

言葉を「撮影」してから、文字の意味も分からず繰り返す。だが、フランス語

には男性形や女性形、複数形などといった変化が沢山ある(例:
livrelivres

)。子供たちはそれらの変化を習っていないので、変化した言葉が読めない。

政府は、その問題に気づいてから、以前の教え方と現在の教え方の両方を同時

に使用することにしたが、そもそも二つの異なる教え方を一緒に使うのはおか

しいばかりでなく、
にもたない。結果として、最近フランス語が読めず、

そのために学校に全然興味が持てなくなった子供達が増えてきたのである。

 世界の教育制度のなかで、フィンランドの教育制度は非常に高く評価されて

いるという。フィンランド人は、子供達が明日の社会の賢明なメンバーになる

はずだということに気づいたのだ。しかし、もし現在のフランスのように、子

供達がいい教育を受けられなければ、将来賢明なメンバーになることができな

いおそれがあるのではないだろうか。フランス政府に早急にこの問題を解決し

ていただきたいと思う。