文章表現Tクラス   闇の消失
  

闇の消失

 

韓国朝鮮歴史文化  吉 珠嬉(韓国)

 

「闇の消失」は闇に代表される‘自然’を喪失した現在の自分たちをもどかしく思う

内容だった。すなわち、闇という自然現象を失って、ゴルフ場の照明やコンビニエン

ス・ストアの人工的な明かりが増えていることに危機感を抱かせられた。

 近年は技術の発達によって多くの分野で自然なものが人工的なものに替わって

ている。この文章で語られているように、夜景が人工照明に追いはらわれてしまった

のもその例である。ありのままの自然ではなく、人間の手による環境に変化したこと

で、自然のままの美しさが消失し、その結果、自然による心の治癒も得られなくなって

しまったのである。

 闇の消失は単なる省エネルギーの問題ではない。自然らしさや人間らしさにかかわ

る精神的に重い問題である。闇を失くしたこの例に見られるように、人間は自然に人

工物を添加することで、自ら人間らしくあるための権利を棄ててしまっている。闇の消

失が持っている、もっとも奥深い意味はこの部分であると思う。

 誰でもまわりの自然環境を見ることで心が安定した経験があると思う。たとえば、道

の小さい花を見て心が和んだ思い出があると思う。それは自然と調和した人間らしさ

が人々の精神に大きな影響力を持っていることを意味している。

 だから、現時点で ‘闇の消失’、‘自然の消失’、さらに‘人間らしさの消失’につい

て、よく考えてみる必要があるだろう。