文章表現Tクラス   闇の消失
  

夜の帰還

 

言語学  安 知英(韓国)

 

科学の発達によって生活が改善された部分はもちろんあるが、一方で人間が失

たものもたくさん存在する。ここにべられている「闇の消失」もその一つの例だと思

う。

 自然から与えられた恵みはすべて人工的ではない経験を通じて体得できるものだっ

た。それが今はどんどん消え失せ、あまり体験できなくなっている。この現象は特にお

年寄りにとって、より強く感じられるだろう。今の都市生活では経験できないロマンを失

ったということは実に残念だと思う。

 完全な夜、闇がなくなったことには、現代人の新たな生活習慣が反映されている。忙

しい日常を送るうちに昼夜の生活パターンが変わってきた。真夜中でも照明をつけて

いる。今はどこへ行っても、光があふれている都市の夜景と出合えるだろう。

しかし、それは資源的にももったいないことだ。確かに明るい照明の光は人の目を

引きそうだが、やはり夜には人の動きそれ自体も活発ではなくなる。だから、最小限度

のエネルギーだけ使えばよいので、街をむやみに明るくしなくてもいいだろう。そうすれ

ば、少しずつ闇を取り戻せる。夜の姿に、昔の思い出をまた感じられるようになるかも

しれない。