文章表現Tクラス  闇の消失
  

ゆたかな闇、恐ろしい闇

 

日本史学  崔 子明(韓国)

 

アメリカに留学していたときには、アメリカの都市の治安状態に関してかなり恐怖を

抱いていた。中でも、私が留学していたペンシルベニア大学があるフィラ
デルフィアとい

う都市は、治安の点で悪名高いところであった。私がフィラデル
フィアに住み始めた

2007
年度頃は、すでに治安水準がよくなった後ではあったが、2001年度ごろ留学した

先輩たちの話には随分怖いところがあったようだ。

あの時の闇は文明の圏外で、それ以上でも以下でもなかった。暗い道を歩いている

時、
2006年からペン大の辺りに配置されはじめたというペンシルベニア・セキューリ

ティ、すなわち、州当局所属の警防団員たちに出会えたら、大変うれし
かった。部屋に

帰ると、ブラインドを下ろして窓から見える闇も見えなくなるよ
うにした。今改めて考え

れば、アメリカの都市が危ないというのは単なる偏見で
あったかもしれないと思うが、

その時には私は恐怖に支配されていた。

しかし、日本に来て、「日本の都市が安全だ」という観念を持って生活しはじめると、

闇に対する態度が変わったことを感じる。アメリカにいたとき、「闇の消失」
というエッセ

イを読んだら、笑ってしまったに違いないが、今はこのエッセイが
真面目に読めるので

ある。実際、夜も窓にブラインドを下ろさないまま寝ること
もよくある。最近日本でも通り

魔が社会問題になるなど、治安が悪くなったので、
私も気を付けているが、窓から夜の

街を平気で見ることができるになったのは、
日本の都市の安全さのお陰であるかもし

れない。