文法クラス  わが国の観光地
         

高麗大蔵経が保存されている寺、海印寺

 

東アジア思想文化  金 兌垠(韓国)

 

韓国の多くの観光地の中で、風景が美しくて歴史的価値も高い所として「海印寺」

紹介したい。海印寺は通度寺、松廣寺とともに韓国の三代名刹に数えられており、


南道陜川郡伽倻面に位置している。

韓国仏教の聖地である海印寺には、世界文化遺産および国宝、宝物などの七十余の

物が散在している。海印寺は韓国最大の名刹として、名山である伽倻山の山裾に位
置し

ているが、背に伽倻山、前に梅花山があり、その雄大で壮厳な姿は周辺の景観に
ふさわ

しい。驚異的なだけでなく、松林と山寺が調和して神秘的な風景となっている。
さら

に、海印寺は高麗時代に製作された「八萬大蔵経」すなわち「高麗大蔵経」が保存
されて

いる寺刹であることから、歴史的価値も高いといえる。

「八萬大蔵経」あるいは「高麗大蔵経」とは、韓国の高麗時代に外国の浸入を防御

るために刊行された仏経を意味する。高麗は文臣を尊重して武臣を軽視していたた
め、

外国の侵入に対しては仏の力で国の安全を守ろうとした。大蔵経の刊行は、第一
次、第

二次の二回にわたって行われ、
1236(高宗38)に完成した。現在、総数81,137組板が

海印寺に保管されている。「高麗大蔵経」は、印刷術と出版技術の発展に大
きく貢献し

た。

海印寺は、新羅時代に華厳宗の精神的な基盤を拡充するために華嚴十刹の一つとし

建てられた。華厳宗の根本経典である華厳経は、
4世紀頃に中央アジアで成立した大乗経

典の最高峰である。その本来の名前は大方廣佛華嚴經と言い、東洋文化の精髓
と称えら

れる。この経典には海印三昧という句節が出てくるが、海印寺の名前はこの
「海印三

昧」から取られた。海印三昧とは、ありのままの世界を限りなく深くて広い
海に比喩し

たもので、荒波すなわち衆生の煩悩と妄想が止まる時に宇宙のいろいろな
真の姿がその

まま水中(海)に映る(印)境地を言う。

このような精神に基づいて、海印寺は海東華嚴宗の初祖である義湘大師(625~702)の法

孫である順應和
とその弟子である利貞和が新羅第40代王である哀莊王 3(西紀

802
1016日)に王と王后の助けで今の大寂光殿の位置に創建されたものである。

ちなみに、華厳宗は海印寺が中心であった開化期、新羅時代を経て、希朗大師をは

めとして均如、義天のようなすぐれた学僧たちを排出するようになった。