日本事情クラス  スピーチ
 

日本・台湾のパン事情

 

農学  蔡 佳瓴(台湾)

 

日本では、パンはポルトガル語のパン(pão)に由来する言葉で、片仮名表記するの

が一般的です。あんパンやメロンパン、蒸しパンなど様々な種類がありますが、日本に

おけるパン製品の表示区分は日本農林規格により、「食パン」、「菓子パン」、「パン」

の3つに区分されています。特にその中で、パンの中に小豆餡を詰めた菓子パンの一

種であるあんパンは、明治時代に日本人の口に合うように発明された日本独特のパン

と言われています。

台湾では、パンという言葉は「麺包」(ミェンパオ)と中国語で表記されています。しか

し、日本統治時代の影響を受けていたため、台湾語では「pan」と呼びます。1930年以

前の台湾人はパンを食べる習慣がなかったのですが、日本政府のおかげで、パンが

台湾で普及し始めました。また、1990年代から、朝食のみ販売している朝食屋の文化

が普及して、朝ごはんにサンドイッチやパンを食べる人が多くなってきました。台湾の

パンは種類が豊富にあって、日本では馴染みの薄いパンも多いと思います。

日本には懐かしい味と言われるような定番のパンというものがあります。例えばあん

パン、メロンパン、クリームパンといった類のものです。一方、台湾で伝統的なパンは

葱花(ツォンホア)パンと肉鬆(ロウソン)パンです。葱花パンは、パンの上にねぎが乗

っていて、花のように見えるため、「葱花」という名前がついており、日本人にとっては

珍しいかもしれません。また、「肉鬆」とは、乾燥豚肉を繊維状まで細かくしたもので、

いわゆるふりかけのような存在です。台湾ではこういうパン以外にも、ハムや卵が入っ

たパンなど、惣菜パンが主食として食べられることも少なくないと思います。

また、台湾人は夜にパンを買って、夜食あるいは翌日の朝食として食べることが多

いです。そのような台湾人の生活にあわせるため、台湾のパン屋では、日本よりも開

店時間が遅く、ほとんどの場合は夕方に焼きたてのパンが並び始めて、かなり遅い時

間まで営業していることが多いです。台湾は日本と同様にパンを食べる人が増えてい

るように感じます。