日本事情クラス  スピーチ
 

茶小考

 

  蔣 明姫(韓国)

 

茶という言葉は韓国・中国・日本の共通語ですが、三つの国に共通しているだけで

なく世界共通語でもあります。

茶(Cha)―ロシア、モンゴル、アラビア、トルコなどでは「ChaiChay」 

     ―アメリカ、イギリスでは「Tea

     ―イタリア、スペイン、ノルウエ-、スウエ-デンでは「Te

     ―ドイツ、フインランドでは「Tee

     ―インド、スリランカでは「TeiTey

 このように発音するのを見ると、茶という言葉ほど世界的な共通性を持つものがまた

とあるだろうか、と驚くほどです。

茶はBC2737年ごろ中国から始まりました。中国の神農氏という人が茶の始祖、元祖と

呼ばれています。それから韓国では6、7世紀の新羅時代、日本では9世紀ごろ、文化

交流と共に伝来したという記録があります。

しかしこの茶の作り方や飮み方、それに礼儀作法は国によってちがいます。茶は製造

方法によって、非発酵茶で緑茶、中間発酵茶で黄茶、発酵茶で紅茶になります。西洋

の茶はすべて紅茶です。

茶の葉は加工法によって香り・色・味が変わります。一般的に中国では茶香を重視

して、香気を感じるための茶碗を別途に使う場合が多いといわれます。日本では茶の

色を重視していて、濃い緑色と香りのため、製造過程で香料と色を添加する場合もあ

ると聞いています。しかし韓国ではうすい香りとうすい緑色が好まれ、自然そのままの

持ち味が最高だと考えられています。したがって三国では飮み方もちがいます。中国

の発酵茶はお湯を熱くして飮みます。日本の抹茶は緑茶を粉末にしたもので、泡を立

てて飲みます。韓国の緑茶は、お湯を6070度ぐらいに冷まして茶を入れ、2~3分ぐ

らい待ってから飲みます。

茶の精神については、韓国には茶礼、日本には茶道、中国には茶芸という言葉

ありますが、三国の茶は一つの根から別々に発展しながら固有の特性を形成しまし

た。文化というのは人為的に作られるものではなく、長い時間をかけて熟成する有形・

無形の価値ですから、国家と民族によって異なるはずだと思います。

以上で茶に関するさまざまなことを概観しました。韓国は地理的に中国と日本の間

に位置するので、茶の文化も中間地点に存在しています。茶碗の大きさを見ると中国

がもっとも小さくて、日本が一番大きく、韓国は中間です。

韓国では「茶を飲む」より「茶をする(やる)」と言います。もちろん茶人の専門用語だ

と思いますが、茶というのは単なる「飲みもの」ではなく、それ以上の無限の世界を持

つものです。茶の世界と茶の文化は、そのように神秘的だと思います。