漢字学習クラス  私の今年の漢字(2010年)
         

私の今年の漢字「決」

学際情報学  朴 鎔兌(韓国)

 

私の今年を一つの漢字で表現するなら、それは「決」だった。今年は私にとっていろい

ろなことを決断した年だった。「決」という漢字は、そもそも何かを決めるという意味がある

と思うが、実はその裏の意味もあると思う。それは何か決断するときにはその見返りとし

て何かを断念しなければならないということである。これは経済学の用語では「機会費用」

と呼ばれるものである。

私は今年から東京大学に留学している。幸いに奨学金の支援もいただくことができ、大

学生の頃から研究や学問の活動に関心を持ってきた私にとって最高の条件のもとで望ん

でいたことができると感じている。

しかしその裏で断念するしかなかったこともある。たとえば、母国で決まっていた就職先

を辞退しなければならなかったことや、今後何年間か家族や友達の近くにいられないこと

などである。上に述べた「機会費用」という用語の正確な意味は、「選択されなかった選択

肢のうちで最高の価値」である。この意味からすると、私が日本に留学するために断念す

るしかなかったことの価値は留学そのものの重みであると言える。だから、このようなこと

を負担と感じる必要はないと思うが、現時点で享受しているものごとが、何かと引き換え

になっていることは常に考える必要があると思う。それは日常をより充実させるための動

機にもなるからだ。私たちは普段、多くのことを決断しながら生きている。そし

て、決断の成果を
味わい、喜びを感じている。しかし、決断の結果は必ずしも幸

福なことばかりで
はない。辛いことも、後悔することもあるだろう。そんなとき

には決断の裏を考
えてみればよい。それが苦難を乗り越えるための強い力になる

のではないだろう
か。